ネット株の心理学 – 小幡 績 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 3 分


ネット株の心理学ネット株の心理学

第1章 株式投資の常識のうそ
第2章 投資家心理で解き明かすネット株取引のなぞ
第3章 ネット株取引の醍醐味
第4章 デイトレはなぜ儲かるか?
第5章 ネット株取引は、なぜ大流行したのか?
第6章 株はなぜ上がるのか?
第7章 株式投資で利益を出すための真理
第8章 新投資理論:株式投資はマーケティングである
第9章 ネット株取引の将来
株式市場に大きな影響力を持つようになったネット株取引。
本書では、投資の世界に心理学を取り入れる「行動ファイナンス」という最新理論によって、ネット投資家の行動パターンを本格的に分析。
ライブドアショックによってネット投資家たちは何を考え、どのように行動したのか…。
その軌跡が鮮やかによみがえる。
そうした最新の事例から実際の投資に役立つ理論を導き出し、さらに、ネット株取引が株式市場に与えている本当の意味に迫る。

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書評・レビュー・感想

「株は買うより売るのが難しい」というテーマからスタートする。
本書は株の買い方ではなく、売り方を研究しましょうという内容。
以下がそのまとめ。

1.企業業績とその見通しだけでは利益はだせない。
2.投資家が実際に取った行動と将来予測される行動だけが真実である。それらはすべて取引価格と取引量として実現される。
3.チャートは過去の売買価格と取引量の記録であるから、投資家の行動という唯一の真実を含んでいる。しかし、過去の結果にすぎず、解釈により今後の投資家行動の推測は大きく変わる。よって、うまく使いこなすことが必要で、絶対視してはいけない。
4.投資した株式は必ず売却しなければならない。したがって、買った値段よりも高く売らなければならない。
5.しかし、必ずしも安く買う必要はない。必ず高く売れるのであれば、その値段より安く買えば十分である。高く買ってさらに高く売るのは良い。
6.安いものを買ってもよいが、それは必ずそれより高く売れる見通しがある場合に限られる。
7.したがって、売ることを先に考え、その上でそれよりも安く買うことを心がければよい。
8.その意味で、株式はマーケティングであり、誰にいつどのようにいくらで売るかということを考えることが一番重要である。

出口戦略から考えるというのはまあそうだろうという話。
株式の売り方を教えてくれる本は非常に少ない。
本書も売り方までは教えてくれない。
ただ、「買い方<売り方」ということは何度も繰り返し強調する。
デイトレーダーがリスクの低いやり方だというのは、株取引を無時間モデルにしてしまおうということ。
しかし、デイトレーダー自体の社会的な意味付けに触れられていない。
そんなものは関係なく、出口戦略から考えて、もうければいいというムードを感じた。
デイトレーダーの問題は、消費者と提供者の非対称性の拡大。
供給者である時間を持たない人が、供給者の労働・生活に想像力を及ばせない(必要がない)。
もうければいい。ゲームに勝てばあとはどうなってもいい。
本書は、今、話題となっている「巧く生きる」薦めにはなっても、「善く生きる」ことには繋がらないと思ってしまった。

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