NHKスペシャルの捕手に対する不理解

【この記事の所要時間 : 約 3 分

NHKスペシャル|「マスクの向こうの“ベースボール” ~捕手 城島健司・苦闘の1年~」』を見た。
マリナーズ・城島のメジャー日本人初の捕手としての苦悩を追った番組。
苦悩の前提としているのが、日本プロ野球とメジャーでの捕手の位置づけの違いだ。
日本 : 捕手が投手をリードし、配球を練る。
メジャー : 投手が配球を決め、捕手には強肩、強打を求める。
日本式をメジャーに持ち込もうとして投手に反発される城島という流れで番組では紹介されていく。
たぶん「日本プロ野球とメジャーの違い」というテーマで番組を作った方が面白いからだと思うが、テーマの作り方がちょっと強引すぎる気がした。二項対立にした方がわかりやすくはなるが、わかりやすくなった分損なわれたものもある。
経験がない捕手と経験がある投手の違い。
ベテラン捕手とイケイケの若手投手の違い。
これは日本プロ野球とメジャーの違いという特異なケースではなく、野球(ベースボール)においては広く一般的なケースだ。
たまたま今回のケースが日本人捕手が新人としてメジャーに挑戦という形になっていたため、日本プロ野球とメジャーの違いのように見えるだけだ。
番組では日本式の捕手は、打者の弱いところを狙うケースが多いと城島のコメントを付け加えて示唆しているが、中日の谷繁のようにまさにその通りの場合もあれば、阪神の矢野のように投手の良さを引き出し、その投手の一番良いボールで勝負する捕手もいる。
城島はすごい。これは疑いない。
しかし、テーマの一般化が妥当でない。
日本人捕手がメジャーに行って文化の違いによって苦悩するというお決まりの物語に仕上げようと番組作りのはじめから考えていたかのような不自然さがあった。
個人的には、捕手というのは野球のポジションの中で一番難しいポジションだと思う。
感覚値でいえば、投手の2~3倍くらいの大変さがあるように思う。
投手は、対戦する打者のことを研究すればいい、そして先発投手なら稼動は4~5日に1日。
だが、捕手は、自軍投手の研究に対戦する打者の研究、対戦する投手の研究、そして守りへの指示を全試合で行わなければならない。
そういう意味では、現在の野球、メジャーも含めて捕手は過小評価されていると考えている。
そんな捕手についての番組。
もう少し深く追跡、分析して欲しかった。
NHKも野村監督にでも監修してもらえばいいのに。

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川村卓
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