僕は一生サラリーマンなのだろうか? – 高橋 朗 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 3 分


僕は一生サラリーマンなのだろうか? 僕は一生サラリーマンなのだろうか?

こんなはずじゃなかった。
毎日懸命に働いて、それなりに充実感を感じることもあるけれど、ふとしたときに虚無感を感じる。果たして自分は、このままで本当に良いのだろうか?そもそも自分は、何のために働いているんだろう?いや、それ以前に、何のために生きているんだろう?たまにそんなことを考えてしまう、”普通”のサラリーマン・修平が、自分探しの旅にでる。でもなかなか「自分」に出会えない。なぜなら探す場所が間違っていたから。誰にとってのそんな「自分探し」小説。

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書評・レビュー・感想

「サラリーマンは好きな仕事しかしたくない」という話には頷いた。
たしかにそうだ。営業、経理、開発、採用、労務、電話番、掃除などなど独立したらすべて自分でやらなければならない。たいていの人はやりたがらない。できるできないの話をすれば、ほとんどの人はできると思うが、みんなメンドクサイと思っている。主人公・修平の友人で貿易会社を先輩と起こした工藤健一は、そういうことを全部、自分の手でコントロールしたいという。私もどちらかといえばそうだ。
内田樹先生は、「転職したいんですけど・・・」という問いに私たちはどう応接すべきかについて以下のように述べている。

もし、君が上司の前に出ると発疹が出るとか、職場が近づくと嘔吐感を催すとか、朝起きるとはげしく腹痛がするとかいう場合であれば、ただちに転職され、できれば長期の転地療養をなされることをお勧めする(ハワイとかバリ等とかにね。)
また、もし、君がしかるべき能力と人脈と社会的信用と豊かな定期預金残高を備えた方であれば、(そのうち二つでも揃っていれば)これまたただちに転職されることを私はお勧めする。
というか、このような方々は、私に尋ねるより先に、すでに転職されておられるはずである。
「転職しないと、病気になる(すでに病気だが)」という方と、「転職しても、ノープロブレム」という方を全体から控除して残った方が私に上記のような質問をしているということになる。
率直に申し上げよう。
「転職しようかどうか迷っている人」というのは、「転職せざるを得ないほどには追い詰められておらず」かつ「転職しても成功するか確率の低い人間」なのである。
それはご納得いただけるであろう。
そういう人には「進むも地獄、退くも地獄」というあまりぱっとしない選択肢しか残されていない。
だから、私の答えは「どっちでも、いっしょだよ」というものである。
率直すぎてすまない。

今のところ、私はこの回答以上に説得力のある回答を目にしたことがない。この例は「転職」であるが「サラリーマン」に置き換えてもなんら問題ないと思う。
「僕は一生サラリーマンなのだろうか? 」と考えている方は、その方より状況の方が先手を取っていて、すでに「かなり出遅れている」と申し上げてよいかと思う。そのような状況になぜ追い込まれたのか?を考える上でヒントになる一冊だと思う。
本書の結論は読んでのお楽しみにして頂くとして、私が日々、物事は考え、判断する上で参照している内田樹先生の文章がある。それは以下のような文章である。

決断というのは、できるだけしない方がよいと思います。
といいますのは、「決断をしなければならない」というのは、すでに選択肢が限定された状況に追い込まれているということを意味するからです。
選択肢が限定された状況に追い込まれないこと、それが「正しい決断をする」ことより、ずっとたいせつなことなのです。

この言葉を頭に入れて、本書を読んでいただければ、さらにいいと思う。

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