テキヤはどこからやってくるのか? – 厚 香苗 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分

浮かれた気分の人びとが集まるところには、どこからともなく商人がやってくる。ヤキソバを焼くソースの匂いや派手な色彩の露店は、私たちをいつもとは違う心持ちにしてくれる。そんな祝祭空間で生計を立てている露店商たちが本書の主人公である。主な舞台は東京の下町。そのあたりでは伝統的な露店商を「テキヤさん」と呼んでいる。「親分子分関係」や「なわばり」など、独特の慣行を持つ彼ら・彼女らはどのように生き、生計を立て、商売を営んでいるのか――。「陽のあたる場所からちょっと引っ込んでいるような社会的ポジション」を保ってきた人たちの、仕事と伝承を考察。

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書評・レビュー・感想

現代のテキヤの中に入り込み、しっかりとしたフィールドワークをして書かれた本である。
テキヤ=やくざ、と思っている人がいるかと思うが、博徒とテキヤは違うということが本書を読めばわかる。テキヤには、やくざ気質はあるが、ヤクザではない。香具師をルーツとした商売人なのである。テキヤ独特の親子関係などが、ヤクザに似ている側面はあると思うし、ヤクザになるような人がテキヤにもいる。テキヤになることを希望すれば過去をいとわずに受け入れる文化もあり、テキヤ自身も、テキヤは商売人7、やくざ3と言っているように、完全分離できないグレーな存在だが、神農信仰をベースにするなど、基本は商売人なんだとわかった。
男社会のテキヤにあって、本書を書いたのが女性というのには驚いた。テキヤというものを完全把握したわけではないが、その一端を垣間見れた気がした。

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