レトリック感覚 – 佐藤 信夫 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分

レトリック感覚 (講談社学術文庫)
佐藤 信夫
講談社

アリストテレスによって弁論術・詩学として集大成され、近代ヨーロッパに受け継がれたレトリックは、言語に説得効果と美的効果を与えようという技術体系であった。著者は、さまざまの具体例によって、日本人の立場で在来の修辞学に検討を加え、「ことばのあや」とも呼ばれるレトリックに、新しい創造的認識のメカニズムを探り当てた。日本人の言語感覚を活性化して、発見的思考への視点をひらく好著。

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書評・レビュー・感想

表現することの難しさと楽しさを感じることができた一冊である。
直喩、隠喩、換喩、提喩、誇張法、列叙法、緩叙法など「ことばのあや」と言われるレトリックについて網羅的に説明されていた。

国語辞典には、私たち日本人が、世代を重ね、地域を越えて、共有化してきた、標準的なものの見方を表現するためのことばの部分品(単語)が収録されている。それゆえ、常識的なものごとを表現するためには、それらの単語を常識的に組み合わせ、つないで文をつくればよい。言い換えれば、共有化されていない、標準化されていない認識を言い表す既製のことばは辞書にはのっていない、ということである。ゆうべ、あなたひとり<だけ>が、たった一回<しか>体験しなかったことがらには、名前がついていない。

こういうときに必要なのがレトリックというわけである。
勉強になる一冊である。

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