公立VS私立 – 橘木 俊詔 (書評・レビュー・感想)

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公立VS私立 (ベスト新書)
公立VS私立
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橘木 俊詔
ベストセラーズ

小学校、中学校、高校、大学…、あらゆるカテゴリーで、公立か私立かという問題は大きな選択である。それぞれの学校選択が後の人生にどのような影響を与えるのか。ベストセラー『格差社会』の著者、経済学者橘木俊詔が、この教育格差の大問題について、「学力」、「お金」、「人間関係」の観点から、数値をひもとき、歴史をたどりながら、縦横無尽に論じる。

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書評・レビュー・感想

1.公立VS私立―歴史編
日本は歴史的には、官学(公立)優先の学校教育が進められてきた。世界的には、イギリスが私立優先、フランスが公立優先という異なった教育文化を持っている。
2.公立VS私立―学力編……いい教育が受けられるのはどっち?
何を「学力」とするかは難しいが、学力テストとしては、中学校においては、私立>公立であり、高校においては、私立(大学進学組)>公立>私立(就職組)となっている。最近の特徴としては、公立中高一貫校のインパクトが大きくなっているようである。大学においては、学問探求という意味では、国公立>私立であり、公務員就職では、国公立>私立、民間就職では私立>国公立という特徴がある。
3.公立VS私立―お金編 ……「コスト」と「リターン」からみて経済的なのは、どっち?
私立一貫校が「稼げる」傾向にあるが、コスト面では当然、オール国公立が有利であるので、著者は、小学校は公立で、中学校から私立一貫校というのは検討の余地ありとしている。
4.公立VS私立―人間関係編……豊かな人間関係が築けるのはどっち?
荒れる公立校というイメージがあるが、いじめが過激なのは私立校だと著者は言う。そして、私立と国立中学は、退学という選択肢があるため、公立中学に比べて、生徒指導が薄いという特徴がある。また小学校から大学までエスカレーター式となっている一部の学校に関して、著者はかなり否定的である。これはやや偏った価値観のある人物に育ちかねないからであり、エスカレーター式の教育では、その本質を見失う可能性があるからだと指摘している。
5.公立か私立か
著者は以下のようにまとめている。

小さい頃からいろいろな人がいる環境の公立校で育ったほうが、「社会の縮図」を小さいときから知ることが出来ますので、大人になったときにその知識なり体験が非常に役立つはずだ、というのが最後に言える一番重要な点です。それに尽きると思います。
裕福な人もそうでない人も、ケンカが強い子もソウでない子も、勉強の出来る子もそうでない子も、世の中にはいろいろな子供がいることを頭に染み付けて育つほうが、非常に応用力のある、幅広い考え方を持つ人に育つ可能性が高いと思うのです。そうしたことを知っておくために、少なくとも小学校は公立校に通うことが大切ではないでしょうか。高校、大学から私学に行くことはできます。また、そういう意味では、別学よりも共学のほうが、早いうちから異性への免疫を高めるという点でベターだということも言えるでしょう。大学よりも高校、高校よりも中学、中学よりも小学校と、年齢は早ければ早いほどよいと思います。
「そういうことには大人になってから気がつくから、心配いらない」という反対意見には、もう遅すぎると言いたいのです。大学生になってからでは表面的なことしかわからないし、そのころになると自分の信念もできてきていますから、その信念を変えるのは、なかなか難しくなります。「鉄は熱いうちに打て」ということで、「社会の縮図を知るには、小さいころがいい」というのが、私の考えです。

小学校は公立。中学からは、私立中高一貫校か、公立中高一貫校で、大学は学力や就職、好みなどで決めるというのが、一般人向けの教訓かなと思う。

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