いわゆるA級戦犯 – 小林 よしのり (書評・レビュー・感想)

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いわゆるA級戦犯いわゆるA級戦犯

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書評・レビュー・感想

現在、靖国参拝問題、A級戦犯分祀論などが話題となっている。
政局がらみの話はどうでもいいが、この問題について根源的に考えるならば、まず前提となっていることを疑う必要がある。なぜ靖国参拝が問題なのか?なぜA級戦犯を分祀するのか?A級戦犯とは何なのか?そもそも分祀とは何なのか?なぜ靖国神社に合祀されているのか?などなどである。
これらについて明快な回答を持っていないため、考えるための一つの情報として本書を読む。

本書は、著者の小林よしのり氏が、「A級戦犯というのは最近になってマスコミなどが使い出した”いわゆる”でしかない無効の言葉である」という主張の根拠を記述したものである。
著者の主張については様々な意見があるが、主張し、その根拠を明示するというやり方は正しい。
本題からそれるが、最近は、根拠のない主張が多く、主張と根拠がセットであり、根拠が他の人に検証可能な状態で提示されてはじめて主張として認められるということを理解していない言説が広く一般化している。
根拠のない主張には反証できない。なぜなら主張に根拠がないから。
ある主張が正しくないことが証明する(反証)には、2種類の方法がある。
 1.その主張の根拠が正しくないことを証明する。
 2.その主張と根拠の関連・結びつきが正しくないことを証明する。
どちらの方法についても、「主張には根拠があること」を前提としている。
これを理解していない人が多い。
根拠のない主張は反証を許さない、言いっぱなしの言説で、単なるスローガンまたはコメントであり、議論に値しない。参考文献や根拠となるデータがない論文が存在しないのと同様、根拠のない主張など存在しない。
閑話休題。
本書の中で、著者の主張「現在の日本にはA級戦犯はいない」の根拠は大きくは以下に集約される。
1.東京裁判は、国際法上違法である。
2.A級・B級・C級という区分は罪の重さのランクではなく、東京裁判上での区分である。
3.昭和28年の遺族援護法の改正によって日本にはA級戦犯が存在せず、彼らは国内法では犯罪者でないことが国民的了解事項となっている。
そして、世間一般の「A級戦犯分祀論」に対する反証は、上記以外では以下に集約される。
1.神道における「分祀」は霊魂の「増殖」になるだけで、A級戦犯の霊魂のみ分裂させることは不可能であり、そのように靖国神社も説明している。
今まで、ざっくりとして捉えていなかった部分もあったので、勉強になった。
A級戦犯として28名が起訴され、7名が絞首刑、7名が獄死、14名が赦免。
それぞれ1人1人についてかなりページを割いて説明があるので参考になる。
ウィキペディア:A級戦犯

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