★★★★★[映画] グリーンマイル – The Green Mile (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

【この記事の所要時間 : 約 5 分

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1935年、ジョージア州のコールド・マウンテン刑務所の死刑囚舎房で看守を務めていたポールのもとに、幼女姉妹を虐殺した罪で死刑を宣告された死刑囚コフィーが送られてくる。ある日、ポールは以前から患っていた尿道炎による激痛に襲われ舎房内で倒れてしまう。しかし、その時、コフィーが不思議な力でポールの尿道炎を治してしまうという奇跡が起こす……。

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。

●舞台は「刑務所」、テーマは「生と死」、新約聖書の現代語訳

少女を強姦殺人した罪で死刑の判決を受け、死刑となったジョン・コーフィの刑務所での出来事を当時、刑務所の看守だった主人公ポールが60年以上のちに老人ホームで友人に話すというのが主なストーリーである。ポールが勤めていた刑務所には多くの死刑囚がいたが、そんな1人であるコーフィに不思議な力があることがわかる。そして彼は奇跡を起こしていく。。。

●原作はスティーヴン・キングの同名小説

本作「グリーンマイル」の原作は、スティーヴン・キングの同名小説である。スティーヴン・スピルバーグは、本作品を見て、「途中で堪えきれずに、4回号泣してしまった」とコメントした。

●主人公のポール(トム・ハンクス)

トム・ハンクス演じる、主人公のポール(ポール・エッジコム)は、コールド・マウンテン刑務所Eブロックの看守主任であり、長年悩んでいた尿路感染症をジョン・コーフィの手かざしによって治療してもらう。多くの死刑囚を見てきたポールは、ジョン・コーフィが無実であるのではないか?と思い始める。

●死刑囚のコーフィ(マイケル・クラーク・ダンカン)

マイケル・クラーク・ダンカン演じる、死刑囚のコーフィ(ジョン・コーフィ)は、双子の幼女を殺害した罪でコールド・マウンテン刑務所に投獄されることになった、大男の黒人であるが、不思議な力を持っていることが少しづつ明らかになる。

●コーフィはイエス・キリストの象徴

コーフィは、刑務所内で、ねずみに生命の力を与え、ポールやメリンダの病気を治療する。この不思議な力は、「イエスの奇蹟」をモチーフにし、コーフィがイエス・キリストの象徴であることを意味している。そして冤罪であるコーフィが電気椅子にて殺される様子は、人類の罪を背負って十字架にかけられたイエスにそのまま重なる。ジョン・コフィ(John Coffey)のイニシャルと、イエス・キリスト(Jesus Christ)のイニシャルは同じJ.Cである。
無実の罪のコーフィが死刑になるまでの様子は、まさに受難を意味していると考えられる。

●ポールはロンギヌスか?

ロンギヌスとは、ゴルゴダの丘で十字架にかけられたイエス・キリストの死を確かめるために左ワキ腹を槍で突き刺したローマ帝国の小隊長であり、イエスのワキ腹を槍で刺した際にイエスの血が目に入り、それによって目の病気が治ったとされた人物である。このロンギヌスが、コーフィから尿路感染症を治療された看守主任であるポールのモチーフと考えられる。
ロンギヌスは、イエス処刑後に改心し、洗礼を受けたといわれている。
コールド・マウンテン刑務所の署長・ハルは、イエス処刑時のローマ帝国・総督ピラトのモチーフであり、ハルの妻・メリンダとコーフィとのエピソードは、ピラトの妻がイエス処刑に反対であったことと、ピラトがイエス処刑に消極的であったことを本作品に投影したものだと思えた。

●ラストシーンの意味とは

ラスト・シーンで、ポールは、コーフィから与えられた力によって長寿になったことが明らかとなるが、通常の寿命が3年ほどであるねずみのミスター・ジングルスでさえ60年以上生きていることから、ポールがどれほど長い時間を生きていかなければならないかが暗示されている。「不死」にも近い「長寿」によって「生と死」のテーマが強調されている。
イエス・キリストの象徴であるコーフィを間接的に殺したポールが受けなければならなかった罰なのだろうか・・・それとも後世にそのことを伝える役目を担ったと考えるべきなのだろうか・・・
本作品を、新約聖書の現代語訳と考えるならば、ポールは特定の個人ではなく、キリスト教徒の総体を擬人化したものと解釈することができる。つまり、新興宗教であったキリスト教が、イエスの死によって世界宗教へと拡大していくことをキリスト教徒を擬人化したポールが長寿=不死になることで表現しているのではないだろうか。
原作スティーヴン・キング、監督フランク・ダラボンというコンビでは、名作「ショーシャンクの空に」が有名であるが、本作品もなかなか良い映画だと思った。

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