忘れられた日本人 – 宮本 常一 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分


忘れられた日本人忘れられた日本人

・対馬にて
・村の寄りあい
・名倉談義
・子供をさがす
・女の世間
・土佐源氏
・土佐川夜話
・梶田富五郎翁
・私の祖父
・世間師(一)
・世間師(ニ)
・文字をもつ伝承者(一)
・文字をもつ伝承者(ニ)

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書評・レビュー・感想

本書は、民俗学者の宮本常一氏が戦前から高度成長期まで日本各地をフィールドワークして書きとどめたものである。宮本常一氏といえば、民俗学者の中でもとりわけ評価の高い人である。
戦前から戦後にかけての、村落の暮らしがどのようなものだったのか?
テレビなどで見る「いわゆる昔の村落」のイメージを本書は大きく壊す。
本書の中で語られている人々は、男性だけでなく、女性も、いとも簡単に村や家から飛び出し、型にはまらない人生を送っている。
我々が、想像するのよりもずっと多くの人が、旅に出たりしてよその土地を訪れたり、世間を知るために結婚前に村を出たり、「世間師」と呼ばれる人などは、村から村へと渡り歩きながら一生を過ごしているなど、かなり流動的だったようだ。
宮本常一といえば、性風俗としての「夜這い」を聞き出し、書きとどめたことでも有名であるが、村の生活から地続きで話される「夜這い」は、現在とは違った文化や社会規範の中で行われていたようだ。
文化や社会規範として「寄り合い」や村内での「つきあい」などが書かれているが、本書ではそのような「寄り合い」や「つきあい」の埒外にあった元牛の仲買人の盲目の乞食から聞いた、農家の後家たちと寝ていたという話なども出てくるから面白い。
基本的には、著者が村落の老人から自身のライフヒストリーを聞きだすという手法を取っているが、このように多くの雑多な人から様々な話を聞きだす能力に圧倒されてしまう。
宮本常一氏の別の本も読みたくなった。

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