★★★★☆[映画] 地獄の黙示録 – Apocalypse Now (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

【この記事の所要時間 : 約 3 分

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1960年代、戦争下のベトナムで大佐暗殺の特命を受けた大尉が、部下と共に遭遇する狂気と恐怖に満ちた体験を描いた作品。製作・監督はフランシス・F・コッポラ。出演はマーロン・ブランド、ロバート・デュバル、マーティン・シーン、デニス・ホッパーほか。

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。

これは父親殺しの物語である。

混迷のアメリカを象徴する旧世代の軍人(カーツ大佐)を、新しい世代の軍人(ウィラード大尉)が倒すことによって、アメリカの新しい時代の到来について予言する内容となっている。

新しいアメリカの象徴であるウィラードはエディプス・コンプレックスを乗り越えるため、ベトナムのジャングル奥地に足を踏み入れる。そこは、ベトナム戦争というアメリカが混迷に陥っていることをまざまざと見せつける狂気の見本市であった。われわれは、ウィラードとその部下たちとともに巡回艇に乗って、アメリカの混迷を追体験することになる。

見本市で紹介されるものが「地獄の黙示録」で最も有名となったワーグナーの「ワルキューレの騎行」を鳴らしながらヘリからベトナムの村々を爆撃するキルゴア中佐、ジャングルに突如として出現する偽プレイメイトのステージ、指揮官抜きで戦い続ける最前線の兵士などである。そのような体験をしながら巡回艇に乗ったウィラードの部下たちは麻薬に溺れ、正気を失ってゆく。アメリカがゆっくりとしかも着実に壊れていっていることをうまく表現している。

ジャングルの奥へ奥へ進んでいくとウィラードたちが最後にたどり着くのがアメリカの苦悩・混迷の象徴であるカーツ大佐である。本作品は、父親殺しというメタファーによって父親の価値観(混迷のアメリカ)からの脱出を表現している。この父親殺しに成功したウィラードは、カーツ大佐の代わりにジャングル奥地で君臨せずに、ランスという自分よりさらに若い世代の軍人を導きながらアメリカに戻ることによって、新しいアメリカを作る決意を表現するが、ラストのウィラードの表情からは、新しいアメリカというものへの確信のなさが見受けられる。これは、コッポラ監督自身の思いがそうだということだろう。

原題である「Apocalypse Now」は「現代の黙示録」を意味している。つまり、「ヨハネの黙示録」では、「最後の審判」後に新しい神の世界がはじまると予言されていることにちなんで、「ベトナム戦争」後に新しいアメリカの世界がはじまるというコッポラの予言と考えられる。

1980年とけっこう古い作品であるが、有名作品であり、追加映像が含まれた完全版はお勧めである。

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