★★★★☆[映画] ラストタンゴ・イン・パリ – Last Tango in Paris (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

【この記事の所要時間 : 約 3 分

ラストタンゴ・イン・パリ〈オリジナル無修正版〉 [DVD]
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント

ある冬の朝、パリのアパートの空室で中年男のポールと若い娘ジャンヌが偶然出会った。2人は爆発的に愛の行為へと突入する。そして孤島のようなアパートで、セックス以外存在しないという生活を始めた…。

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。

男と女の不条理な世界をテーマにした作品である。

ある日、突然、ポールの妻が浴室で自殺したことから映画は始まる。ポールは、妻の自殺によって知っているはずの妻が、実は全然知らない人間だったことがわかり、人生に見捨てられたようになり、なにもかも放り出して街をさまよう。

たまたま入ったアパートの空き部屋で、部屋を探している若い女性ジャンヌと出会う。投げやりになっていたポールは、ジャンヌをその場でレイプするが、それに大きな刺激を感じたジャンヌとポールはその部屋を借り、お互いの名前や素性などを知らないままセックスだけをする関係となる。

妻に裏切られたポールと恋人との距離に悩むジャンヌはセックスを通して「愛」を求めていく。ジャンヌがポールに愛を感じるタイミングと、ポールがその愛に再び人生を取戻そうと思ったタイミングのズレによって二人の関係が崩れていく。ジャンヌにとって夢の終わりは現実だったが、ポールにとっては、夢の終わりは更なる夢の始まりだった。ジャンヌが夢の終わりにみた現実では、中年男を覆っていた幻想は剥ぎ取られ、ポールは中年男の醜悪さ、哀れさ、弱さをさらけ出す。

一度崩れた関係はもとには戻らず、ジャンヌは逃げ、ポールは追い、悲劇へと一直線である。

この映画は、映像も脚本もコントラストが非常に良いという印象を持った。映像のコントラストはスペインの画家・ベラスケスのような陰影をうまく使ったものになっており、脚本においては、ジャンヌの恋人とポールの年齢や興味、女の過去に対する思いの対比や太陽の下でのカップルと暗い部屋の中でのカップルという対比、ジャンヌの変心前後の対比などさまざまなコントラストが目立った。

タンゴは男と女がからみあうようにするダンスであるので、セックスのメタファーとして使われており、映画のタイトルもその流れである。ジャンヌが中年男性との恋愛を卒業し、ポールという父親世代の男性を殺すことによって女性としての成長譚として本作品を読むこともできる。

映画冒頭のフランシス・ベーコンの2枚の絵が、この作品の元になっており、フランシス・ベーコンの不条理な世界をベルトリッチ監督が映像化したと考えられる。

エロス的な視点もあるが、人間の悲哀と男女の不条理がうまく表現された作品だと思う。お勧め!

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