★★★☆☆[映画] キューブ – Cube (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

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CUBE

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ポニーキャニオン

ある日突然理由もなく、男女6人が鋼鉄の立方体の部屋に閉じ込められた。そこには同じ部屋が多くあり、その集合体で作られた巨大な立方体(キューブ)となっている。各部屋に6つあるハッチから、さあ出口を探せ!ゲーム感覚あふれる斬新なアイデアと、スタイリッシュな映像センスで、トロント映画祭やサンダンス映画祭をわかせた作品である。6つのハッチから出口を探すしか脱出方法はないが、部屋にはさまざまな殺人トラップが仕掛けられている。無駄なエピソードはいっさい排し、ただひたすら脱出サスペンスと心理ドラマに集中している。

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。

密室で起こる死のゲームの映画である「ソウ – SAW」は非常に気に入っている作品であるが、このソウが出る前にいわゆるソリッド・シチュエーション系映画の元になった映画が本作CUBEである。

突然、男女6人が立方体(CUBE)の部屋に閉じ込められた状態から映画はスタートする。彼ら彼女らはなぜ自分がここにいるかわからない。状況としてはソウと同じである。そして各部屋には6つのハッチがあり、それぞれが別の部屋につながっている。ただし、部屋によっては死の罠が仕掛けられており、それを回避しながら出口を探すという脱出ゲームのような内容である。

男女6人は、それぞれが持っている能力を使いながら罠を回避し進んでいくが・・・1人、また1人と死んでいく、ある人は罠によって、ある人は他の人によって殺されていく。まさに極限状態における人間模様を眺めている感じである。

この立方体(CUBE)の部屋は、現実世界のメタファーであると考えられる。つまり、われわれ人間が、なぜこの世に生まれてきたのかわからないし、わかりようがないのと同じで、彼ら6人がCUBEに入れられた理由はわからないし、わかりようがないという形をとっている。

そう考えれば、登場する6人は現実世界の人間というよりは、人間の典型的な能力や状況が擬人化されたものであることがわかる。そしてその能力は正の面と負の面があることも擬人化でうまく表現されていると思う。

登場する6人は、以下の通りに擬人化されている

 1.脱獄犯・レン – 意欲(不法)
 2.医者・ハロウェイ – 地位(孤独)
 3.警察官・クエンティン – 権力(暴力)
 4.学生・レヴン – 知性(混乱)
 5.サラリーマン・ワース – 平凡(怠惰)
 6.精神障害者・カザン – 純粋(障害)

上記の順序は映画の中で死んだ順番である(6のカザンのみ生き残る)が、これは、監督が現代社会における必要性が下位のものから選んでいるように感じた。そして精神障害者であるカザンのみが生き残ることによって人生には純粋さが必要であり、どんな人にも得意なものがあり、それを生かせば楽しく生きていけることを表現したのではないだろうか。

ちなみに、登場する6人の名前は全員、世界にある刑務所の名前にちなんでいるらしい。

罠がある部屋や出口を探す上で、素数や因数、デカルト座標、順列組み合わせなどの数学的なトリックがでてくるが、レヴンの能力である知性を引き出すための道具であって、別に現代社会に数学が必要だといっているわけではないと思う。

なかなか面白かったし、低予算で作ったといわれているが、このソリッド・シチュエーションを考え出したことも含めてアイデアの勝利という感じがした。

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