★★★☆☆[映画] セックスと嘘とビデオテープ – Sex, Lies, and Videotape (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

【この記事の所要時間 : 約 3 分

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ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

夫ジョンは弁護士、妻アンは貞淑な主婦。理想的な夫婦の日常は、夫の友人・グレアムの出現によって波風が立ってゆく。ジョンの浮気に何となく気づいていたアンは、グレアムの向けるビデオカメラに心情を吐露する。欺瞞に満ちた日常は崩れ落ち、やがて浮き彫りにされてゆく自己の内面…。セックスと嘘が絡み合う日常の虚構が、グラハムという闖入者と彼が携えるビデオカメラによって暴かれていく……。

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。

夫ジョン、妻アン、妻の妹シンシアという三角関係の中にジョンの友人グレアムが入ってくることによって物語が展開していく作品である。メインの登場人物である4人はそれぞれ歪んでいる。それもわかりやすく典型的に。程度の差こそあれ、現代人であれば、4人が持つ歪みを少しづつ持っていると言えるだろう。

夫ジョンは、上昇志向を持つエリートで金はあるが倫理観はない。妻アンは、専業主婦で自分では解決できない問題に関心を持つことで自分自身の問題から逃避している。妻の妹シンシアは、優等生な姉に劣等感を持ち、姉と正反対のことをして鬱憤をはらしている。ジョンの友人グレアムは、内向的で実業を持たず、特殊な性癖を抱えている。

夫ジョンと妻の妹シンシアは、快楽に溺れるセックス。妻アンとジョンの友人グレアムは、心が通ったセックスという風な対比が用いられており、非常に分かりやすい。

本作品のテーマは「コミュニケーションの難しさ」である。

ジョンとアンは結婚しているが、価値観の相違からセックスレスであり、ジョンとシンシアは不倫関係であるが、シンシアはジョンを軽蔑しており、アンとシンシアは姉妹であるからこそ、お互いを嫌いあっている。歪んだ三角関係を構築していたのは、それぞれの「嘘」である。

しかし、その「嘘」がグレアムを媒介にして明らかとなり、歪んだ三角関係は崩壊する。嘘が関係を作り、嘘が関係を壊す。

三角関係が崩壊した後、グレアムとアンは対話を通じて、グレアムは人生の傍観者から演技者へ、アンは嘘で取り繕われた存在から自分に素直な女性へと変貌を遂げる。この作品のテーマであるコミュニケーションの難しさについて、対話を積み重ねることによって最終的なコミュニケーションが成立する過程が描かれている。シンシアは姉との葛藤を乗り越え、精神的な成熟を見せるが、ジョンだけは変わらず・・・

グレアムがビデオテープを壊していくシーンは、自分の歪みとの決別をうまく表現していると思った。

全体的に地味で、淡々としているが、男性側ではなく、女性側の気持ちを汲み取ったセックス観というものが表現されているので女性に受けがいいだろうと思われる。

ストーリー自体はシンプルで、登場人物の性格も典型的な形へそぎ落とされているのでキャラがはっきりしてわかりやすい。女性向きな作品であることを考えると、タイトルでちょっと損をしているような気がするが、まずまずお勧め。

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