ピカソは本当に偉いのか? – 西岡 文彦 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分

「なぜ『あんな絵』に高い値段がつくのか?」「これって本当に『美しい』のか?」。ピカソの絵を目にして、そんな疑問がノド元まで出かかった人も少なくないだろう。その疑問を呑み込んでしまう必要はない。ピカソをめぐる素朴な疑問に答えれば、素人を煙に巻く「現代美術」の摩訶不思議なからくりもすっきりと読み解けるのだから―。ピカソの人と作品に「常識」の側から切り込んだ、まったく新しい芸術論。

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書評・レビュー・感想

歴史に名を残す有名画家の多くが金欠だったが、ピカソは別である。
レンブラントやダヴィンチ、ミケランジェロからゴッホ、ゴーギャンなど金銭的に恵まれなかった有名画家は数多い。
特に中世は、絵画の買い手が教会または貴族に限定されており、画家が芸術家というよりは職人という位置づけであったために金銭的に恵まれるチャンスがなかった。それが、宗教改革や中間市民層の富裕化などの歴史的な流れによって絵画の買い手が教会または貴族から市民となり、そこにバブルが生じた結果、ピカソのような莫大な資産を有することになる画家が生まれてくる。絵画が美術品へと変わった時代に生まれたピカソという人の運の良さがあると感じた。
教会がギルドを生み、王室がアカデミーを生んだといわれるが、市民がピカソを生んだのだと本書を読んで改めて思った。
ピカソは本当に偉いのか?という問いかけに対する答えは、多層的な回答が可能であるが、ひとつ、美術、芸術というものを考える上では非常に良い問いだと思った。禅問答的な意味で。
近代美術をおさらいする上でもいい本だと思う。

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