臆病者のための株入門 – 橘 玲 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 3 分


臆病者のための株入門臆病者のための株入門

「株入門」なんてタイトルがついている本にありがちな移動平均線がどうたらというような株式を売買するためのテクニカルな手法が書いてある本ではない。
株式投資は、確率のゲームであり、ギャンブルであり、「絶対儲かる方法」などないと指摘している。
本書は、移動平均線など数値化可能なテクニカルな手法を過去の株価データに当てはめたアメリカの学者などをひっぱってきて、でたらめに株を売買した場合とパフォーマンスが同じであることを示し、「経済学的に正しい投資法」を理解するのは難しいが、実践するのはカンタンだと言う。

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書評・レビュー・感想

まあ一応、理論の説明もあるが、理解するのは結構大変なので、結論だけ書くと、
「経済学的に正しい投資法」を実践するには、
世界市場ポートフォリオのインデックスファンドに投資すればいい!
これだけである。
なぜそうなるのか?知りたい方は本書を読めばいい。
理論の結論としては、「世の中に効率的ポートフォリオはたった一つしかない。それは株式市場の縮小コピーだ!」ということであり、株式市場の縮小コピーとはインデックスファンドのことである。
そして、日本のインデックスファンドだけではなく、世界市場ポートフォリオのインデックスファンドに投資するのである。世界市場ポートフォリオとは、現在であれば、世界市場における時価総額は米国が約50%、日本が約15%、ロンドン、ヨーロッパがそれぞれ約15%、その他が約5%となっているので、それぞれの市場のインデックスを時価総額の比率に応じて保有することである。
株式投資がギャンブルだと理解できれば、他のギャンブルとの違いにも興味がわく。
ギャンブル研究の第一人者でもある谷岡一郎氏のツキの法則によれば、日本の宝くじの期待値が46.4%、競馬などの公営ギャンブルが75%に対して、ラスベガスのルーレットは約95%、パチンコは約97%、バカラやクラップスなら99%から最大99.9%まで上がる。
そしてギャンブルのコストについても考える必要があり、株式投資におけるコストが、証券業界の利益である。
このことを考えない人が株式投資でカモられると著者は言う。
本書での基本的な考え方をまとめておくと、
1.トレーディング(デイトレードを含む)
  メリット:ゲーム性が高く、いちどはまるとやみつきになる。
  デメリット:ゼロサムゲームなので、初心者の大半は敗退していく。
2.個別株長期投資(バフェット流投資法)
  メリット:資本主義の原理に忠実なので、もっとも大きな利益が期待できる。
  デメリット:企業調査に時間と努力が必要。
3.インデックス投資(経済学的にもっとも正しい投資法)
  メリット:あまりにカンタンで考える必要すらない。
  デメリット:平均的にしか儲からない。
本書でも書いているが、多くの若者にとっては、キャッシュという資産より自分自身という資産の方が大きい。(年と取るごとにその差が縮小し、ある時点で逆転するのが普通)
生涯年収を3億として、長期金利1.5%で割引くと、23歳時点で2億、50歳時点で1億6000万の価値が「自分が働くという価値」がある。
そういうことを考えると20代で数十万〜数百万程度の金の運用益を考えるよりは自分自身に投資した方がいいと個人的には思う。そして、確定拠出年金は、世界市場ポートフォリオのインデックスファンドに預けてほって置く。
これが一般的にはベストの選択ではないかと思う。

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