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犯罪を未然に防ぐには、いつどこで起きるか予測できればいい。それを可能にするのが「景色解読力」―注目すべきは、いかにも怪しい「不審者」ではなく、見慣れた「景色」なのだ。犯罪科学のエキスパートが最新の知見をもとに、実践的な防犯ノウハウを伝授。意表をつく指摘を通じて犯罪のメカニズムを解明する。
書評・レビュー・感想
目次は以下のとおり。
Ⅰ防犯常識のウソ
1.事件の九割は未解決
2.「地域安全マップ」は偽者ばかり
3.防犯ブザーは鳴らせない
4.住民パトロールは弱点を突かれる
5.街灯は犯罪者を呼び寄せる
6.監視カメラに死角あり
7.「いつも気をつけて」は無理な注文
8.「人通りの多い道は安全」ではない
9.日本の公園とトイレは犯罪者好み
Ⅱ進化する犯罪科学
1.人はなぜ恐ろしい罪を犯すのか
2.こんな私にだれがした
3.スキを与えると人は魔がさす
4.デザインが犯行を押しとどめる
5.犯罪者はゴミが好き、花が嫌い
6.死体は雄弁に語る
7.最先端テクノロジーで未来を守る
なかなかの知見というか、こういった知見の積み重ねが犯罪学というものだと知った。
アメリカの作家であるマーク・トウェインの「人がトラブルに巻き込まれるのは知らないからではない。知っていると思い込んでいるからである」というメッセージはまさに防犯についても当てはまる。
調査や分析といった部分はなかなか面白かったが、やはり学者なので、調査、分析止まりであるのが残念だった。具体的に社会でこうやっていこう!そのためにはこういうアプローチをしていこう!という個別具体的な話がなかったので、犯罪を予測して、その次どうするの?が見えなかった。
その意味では本書を読んで、いろいろな知見に触れたところで、現実はとくに変わらない。まあそんなものといってしまえばそうだが、少し残念だった。