★★★★☆[映画] ヴィレッジ – Village (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

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超常現象(らしきものも含め)を題材にしたセンセーショナルな作品を作り続け、つねに賛否両論を起こしてきたM.ナイト・シャマラン監督。本作では、「周囲の森に入ってはいけない=外の世界を知ってはいけない」などの掟を守り、隔離された生活を続ける村人たちのミステリーに挑む。好奇心旺盛な青年ルシアスが森に足を踏み入れると決意したとき、森の中の「何か」が村人に恐ろしい警告を発し始めるが…。

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。

19世紀後半の牧歌的な生活を営んでいる村で、知的障害の青年が、盲目のヒロインの恋人を刺してしまい、盲目のヒロインが恋人を助けるために村では禁断となっている村の外へ出て町へ薬をもらいにいくというストーリーである。
外に出て明かされる村の真実とは??
村では、農耕や牧畜によって自給自足生活をしているのに、村の外の森を出ると、車が走っていて、人(警備員)は現代人の服装をしている・・・

盲目のヒロインの服装や様子から違和感を感じた警備員が名前を聞き、事情を悟る。そして、我々も盲目のヒロインの父親が彼女に話した祖父の話や彼女の苗字、そして警備員の車に書かれた文字から全体像を把握する。

つまり、時は19世紀後半ではなく、現代で、盲目のヒロイン住んでいる村は、とある公園の中に存在する空間であり、それは、ヒロインの祖父の遺産で作られた空間だった。村に住む長老たちは犯罪によって家族を失った人たちで、そういう人たちのためにユートピアを作ろうとヒロインの父が私財を投入してこの空間を作ったということがわかる。

無事、薬を手に入れたヒロインは、それを持って村へ戻る。村の長老たちも村の秘密が守られたことにほっとし、ヒロインが愛の力で困難を乗り越えて恋人を救うという結末でエンドロールを迎える。

ストーリーの表面だけ追うとラブストーリーのような気もするが、これは、人間が作る理想の空間、ユートピアの限界を表現した作品であると思う。

 ・少数の閉鎖空間における盲目や知的障害という遺伝子の問題
 ・犯罪を無くすためにお金や武器を遠ざけても犯罪は起こる矛盾
 ・情報や文化から遠ざけることによる洗脳の怖さ
 ・選択してユートピアに来た第一世代と、強制された第二世代
 ・真実を知らない無垢や無知が本当の幸福につながるのか?

といった問題を提起しながら、純粋な愛を貫こうとする若者と真実を隠しながら自分たちの生活を守ろうとする長老たちを対比しながら描いている。

盲目の少女は、外の世界に目を塞いでいるこのコミュニティを象徴している。そして盲目の少女は目は見えないが心で見ることができるものがある、それが愛する人の色であり、それが愛を暗示している。このコミュニティは、外の世界から隔絶されているが、その中に愛はある、だからいいのか?問題はないのか?という問いかけにも思える。知的障害を持つノアは、無垢の象徴である。そんなノアが犯罪を起こし、最後には死んでしまうことによって、無垢への疑問が本作品には伺える。

確かに愛の物語というか愛のプロットはある。しかし、だからといってこのような問題あるコミュニティをそのままにしておいていいのか?という社会的な問いかけをしている作品だと感じた。

実際、アメリカにはこの村と同種で農耕や牧畜によって自給自足生活をしている「アーミッシュ」という宗教集団があり、形を変えれば北朝鮮も同種のコミュニティであることがわかる。北朝鮮も市民に真実を隠し、脱北を禁断とし、情報から遠ざけることによって洗脳している。北朝鮮の中にも愛の物語はあるだろう。だからといって北朝鮮という問題あるコミュニティをそのままにしていいのか?ということでもあると思う。

なかなか社会的な作品だと感じた。

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