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だれもが一度は経験する、自分の話がうまく相手に通じない痛み。でも、あ きらめないでください。少しでも伝える技術があれば、突破口は見つかります。これは、自分にうそをつかず、自分の想いで人と通じあっていきたい人のための、実践的なコミュニケーション技術の本です。あなたの想いが相手に通じる歓びは格別です。
書評・レビュー・感想
話の伝え方の基本を説明している本であるが、「意見=主張+根拠」ということを理解している人には必要ないが、なんとなくという人にはやさしく書かれているので読みやすいと思う。
絶対、困らない議論の方法
意見のつくり方や相手の意見への否定の仕方などは上記の本の方がおススメできるが、本書のいいところは、議論や話を通じさせる方法はこうだけど、それを実践してどうするの?というところに目配せしているところである。
正論はたしかに正しいが、人を動かさないことが多い。その理由には納得するし、また今後の実践として、議論に勝てはいいの?相手に意見を伝えきれればいいの?という次数をひとつあげた問いを自問できるところに読みどころがあると感じた。
本書の第四章「共感の方法」は、話が通じない時にやってしまいがちなことを例を出して説明していて、自分に顧みて反省しながら読んだ。
筋違いの批判をしてくる相手に、カッとなって我を忘れれば、相手に「ほら、怒った。やっぱりこの程度の器だ」と思われ、メディア力を下げるばかりだ。こういう場合こそ、いつもの自分、つまり90%の日常の自分を失ってはいけない。細々とした訂正をして、結局相手のプライドをくじくよりも、相手から見た自分のメディア力を回復するにはどうしたらいいか?つまり、客観的な少し大きなところから観て、どうしたら自分という人物に共感してもらえるだろうか?と考えていくと橋は架けやすい。相手への誠実さがカギになる。
いきなり実践するには難しい面もあるが、話が通じない時、話が通じない相手がいる時に読みたい本である。