古事記 – まんがで読破 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 3 分

古事記 (まんがで読破)
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もはや教育の現場から姿を消した「神話」。なぜ神話が存在し、人々は神を崇めるのか?古来より人々は歴史を神話に例えて語り継いできた。それを日本で初めて文字として書き記したのが文官・太安万侶である。有史以来、長い日本の歴史を紐解くべく、数世紀にわたる編纂を経て伝えられてきた日本最古の歴史書のひとつを漫画化。

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書評・レビュー・感想

 ・ギリシア神話を知っていますか
 ・旧約聖書を知っていますか
 ・新約聖書を知っていますか
などを以前に読んだが、この時に、日本の神話についても読みたいなあと思っていた。とはいっても断片的な知識だけがある状態なので、とりあえず挫折しないように、漫画で読破シリーズから「古事記」を選んだ。
日本の古い歴史書としては、「古事記」と「日本書紀」が有名であるが、「古事記」が国内向け、「日本書紀」が国外向けに書かれていたとは知らなかった。ちなみに「古事記」は、上中下の3巻に分かれており、神代の時代から第33代推古天皇に至るまでの歴史が書かれている。
高天原(たかのまはら)は、古事記独特の言葉であるということは知らなかった。ちなみに、「高」にはタテ軸、「天」は間、「原」はヨコ軸を表し、三次元世界を表しているとのこと。

「古事記」は目に見えないことを表現しようとしていて、それを誰にでもわかるような比喩を使って表しているだけです。そして名前を逐一記していることにもちゃんと意味があるのです。「古事記」はまだ日本語が完成していない時代に作られたものですから、当てられた漢字にはほとんど意味はありません。

古事記では、ギリシャ神話のように、たくさんの神々が生まれるが、その神々1神1神が意味があったりする。あるものを象徴しているということである。たとえば、家づくりの1つ1つの手順が神の名前になっていたり、海の神が治水技術を習得したことを表していたり、火の神が武器や争い事があったことを表していたりする。こういう神々は人格をもったものではなく、何かの象徴の場合が多い。
人格を持った神々が出てくる後半は、ストーリー性もあり、物語として、読み物として面白くなっている。
その中にスサノオが八俣の大蛇(ヤマタノオロチ)を退治する話がある。毎年、八俣の大蛇がやってきては娘をひとりづつ餌食としていくので娘と一緒に嘆き悲しんでいた老夫婦にスサノオが出会うことから物語がはじまるが、この老夫婦は「稲作」を擬人化したもので、娘は「田んぼ」を擬人化したものだと考えられており、八俣の大蛇は、稲作をする上で田んぼを奪う「洪水、川の氾濫」を意味しているのではないかと考えられている。昔の日本人の象徴でもあるスサノオが、灌漑技術によって洪水を防いだということだと思う。こういう歴史が過去の日本にあったということを伝えるために、八俣の大蛇を退治するという比喩がうまく使われており、「古事記」には歴史書という意味だけでなく、文学的な作品としても価値があると思う。「古事記」は神話に見立てた日本の国造りの記録ということである。
大国主(オオクニヌシ)は、「この漂へる国を修め理り固め成せ」という天からの神勅を受け、日本の国造りをするが、「神代とは 遠き昔のことならず 今を神代と知る人ぞ神」という歌には、日本では今もこの神勅が続いていると考えることもできるという解釈には日本人の思想の基礎があるように感じた。

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