電波利権 – 池田 信夫 (書評・レビュー・感想)

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書評・レビュー・感想

最近よく宣伝されているが、国民にあまり認知されていない地上デジタル放送。
「フルハイビジョン」、「デジタルハイビジョン」、「地上デジタル対応」などなど、これをきちんと理解しているだろうか?本書による説明は非常にわかりやすい。
既得権益集団であるテレビ局は、なぜ既得権益を確保できているのか?
それは、地上波テレビが免許制度であるからである。
しかも、テレビ局と新聞社の系列化は、世界では日本だけであり、政治と結びつきが強くなる原因となっている。
免許を握っているのが政府であり、系列化を進めたのが政治家である。
読売新聞=日本テレビ
毎日新聞=TBS
産経新聞=フジテレビ
朝日新聞=テレビ朝日(NET)
日経新聞=テレビ東京(東京12チャンネル)
もともと電波は、言論規制として政府がコントロールしていたが、時代の変遷によって利権へと生まれ変わったのである。現在の系列化についても、資本調整を行ったのは田中角栄であり、それによって田中角栄は新聞、テレビに睨みを利かすことを可能にした。

郵政相のときから、俺は各社の内容も、社長も部長も知っている。その気になれば、どうにでもなる。君らもつまらんネタを追いかけるのはやめろ

という発言を田中角栄が首相になった時に番記者を集めて言っている。
ヤクザと同じ「恫喝」であり、こういうことが通用しているということは、日本が途上国であったことを示している。
もうこういう時代は終わりつつある。
著者は、以下のような見通しを持っている。

これまで通信、放送、コンピュータなどと分かれていた業界の垣根がIPによって取り払われ、すべてのデジタル情報がIPに乗る「Everything over IP(すべてがIPを経由する)」が実現し、同時に、IPが無線、有線を問わずあらゆる媒体で伝送される「IP over Everything」も実現し、通信、放送はIPで統合されるだろう

これについては、私も同様な見通しを持っている。
現在、テレビ局はIPを拒否しているが、このままでは過去の映画と同じ運命をたどるだろう。
映像や音声がIPによって媒体を問わず伝送される時代が来る。そうなれば、特定のインフラに依存する形は時代遅れになる。インターネットというインフラをみんなが使うようになれば、重要になってくるのはコンテンツ。
それによってコンテンツの質が求められ、高められる。
ユーザーにとってもうれしい状態になる。
今後の電波について著者は以下のように表現している。

出版社が印刷会社をもつ必要がないのと同様、放送局が電波をもっている必要もなくなる。

わかりやすい。
たぶんその通りになると思うし、テレビ局が損をする話ではないと思う。
テレビ局はコンテンツ制作能力があるのだから。

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