★★★☆☆[映画] ダーウィンの悪夢 – Darwin’s Nightmare (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

【この記事の所要時間 : 約 3 分

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ジェネオン エンタテインメント

一匹の魚から始まった“悪夢のグローバリゼーション”に迫るドキュメンタリー。アフリカ最大の湖・ヴィクトリア湖。半世紀前に放流された外来種の肉食魚・ナイルパーチから派生した弱肉強食のグローバル経済の本質を暴く。
以前、「ダーウィンの悪夢」というドキュメンタリー映画を見たいと思っている。と書いていたが、機会があったので観てみた。

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。

タイトルの「ダーウィンの悪夢」とは、「ダーウィンの箱庭」と呼ばれるほど生態系が豊かであったアフリカのビクトリア湖が、ナイルパーチという外来種によって大きく変わってしまったという点に着目して本作品が撮られたことからつけられている。

当初は外来種がもともとあった生態系を大きく崩していく問題点について語られた映画だと思って見始めたが、進んでいくと全然違うことがわかる。

この映画を撮った監督は、外来種による既存生態系の破壊という看板を掲げながら、貧困、HIV、売春、ストリートチルドレン、武器売買といった問題をグローバリゼーションと絡めて批判する内容の作品を作っている。つまりは羊頭狗肉である。

はっきり言えば、このドキュメンタリー映画には違和感がある。

なぜなら、外来種による既存生態系の破壊という観点においては、ナイルパーチはたしかに問題である。しかし、タンザニアの貧困、HIV、売春、ストリートチルドレン、武器売買とナイルパーチははっきりいってほとんど関係ない。関係ないは言い過ぎだが、タンザニアの貧困、HIV、売春、ストリートチルドレン、武器売買といった問題と、ヴィクトリア湖のナイルパーチには相関関係はあるが、因果関係はない。

WIkipedia – 相関関係と因果関係

この映画に違和感を感じるのは、因果関係はないが相関関係があるという部分を利用して、ナイルパーチの問題を自分の都合のいいようにわざとミスリーディングさせているからである。

以前、「アフリカ 苦悩する大陸」という書籍を読んだが、多くのアフリカの国で問題となっている独裁者や民族対立、政府腐敗などの問題はタンザニアには少ない。逆にコーヒーやお茶、綿花などの農業や漁業も盛んで輸出もしている。

一晩1ドルで雇われている元軍人のインタビューに、「みんな、戦争を待ち望んでいる」というような発言があったが、非常に意図的な感じがした。隣のルワンダの過去を見れば、内戦のひどさがわかるかと思う。「ホテル・ルワンダ」を見ればいい。タンザニアには、植民地時代の分割統治による部族間対立はなく、民主主義も完全でないにしろ機能している。

本作品の上映にタンザニア政府が抗議したのもわかる。たしかにこの映画には嘘はない。しかし事実の切り取り方、並べ方に「極端な意図」を感じずにはいられない。

ただ、先進国(EU)が途上国(タンザニア)を都合のいいように利用しているというのはわかる。

1つ1つの事実を意図的に繋げるとどうなるのか?についてもっと真剣に考えたいと思った映画だった。

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