★★★★☆[映画] ホステル – Hostel (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

【この記事の所要時間 : 約 4 分

バックパッカーをしながらヨーロッパ各地を旅行している大学生パクストンとジョッシュ。ある時、とある田舎町に男たちの求める快楽をすべて提供する<ホステル>があるとの噂を耳にする。早速そこへ向かった彼らは、その<ホステル>にたどり着き、期待以上の夢心地のひとときを過ごすのだが…。

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。



人間の底知れない欲望について描いた作品である。

人間には様々な欲望があり、それは人それぞれでもある。その欲望の中には、「酒を飲みたい」「ドラックをきめたい」「女とやりたい」といった一般的なものから「人を殺したい」「人が苦しむのを見たい」「人が死ぬのを見たい」といった特殊なものまである。欲望に憑りつかれた人間というものが一体どのようになるのか?それを追体験できる。



ヨーロッパを旅するバックパッカーであるアメリカ人青年のパクストンとジョシュ、それにアイスランド人のオリーの3人はアムステルダムでドラッグと酒と女を楽しんでいたが、スロバキアのブラティスラバには、3人の欲望をさらに満たすことができるパラダイスがあるいう話を聞き、スロバキアへと旅立つところから始まる。

スロバキアという東欧の風景は、一見ほのぼのしてるがよく見ると不気味な雰囲気をうまく出していた。



金持ちがカネで殺人を楽しむために、快楽殺人を斡旋する殺人クラブという設定は面白いが中身は、「ソウ – SAW」のようなリアルな描写は少なく、痛いシーンを積み重さねていくだけで奥行きがあまり感じられなかったが、パクストン担当の神経質なドイツ人が殺しにぎこちない部分やそんなに使うの?というくらいの道具類などは、プロの殺人ではなく素人の殺人であることをうまく表現していたように思う。

怖さより痛さの表現を重視しているのか、「羊たちの沈黙」シリーズのハンニバル・レクター博士のような精神的に恐怖がこみ上げてくるようなものはなかった。



意味がわからなかった台詞を後から意味付けしていくという定番の伏線回収方法はやはり安定感がある。パクストンの「過去に女の子が溺れているのを助けられなかったトラウマ」やブラティスラバのホステルではアメリカ人が女性にもてる理由、パクストンのドイツ語、手が震える障害をもった男性の外科医への憧れ、パクストンが無料だった理由、表情のない子供達などの設定は十分楽しめた。



パクストンが車で逃げだしている時に彼をハメた3人組が偶然目の前に現れるシーンなどタランティーノらしいご都合主義があったのは愛嬌だと受け止めたが、復讐によるカタルシスがないほうが絶望感があってより好みではある。

両手の指を切られているのに悠然と走ったり、片目が無くなっているのに普通に歩いたり・・・というリアル感がない部分があったが、最後の復讐によるカタルシスという点から考えるとホラーというよりは、エンターテイメント映画といった方が正しい認識なのかもしれない。安っぽい感じは若干否めないが、製作費100億円以上の大作が多い中で、数億程度の製作費では限界だったのかも。。。



ローマ時代にコロッセオにて行われた人間と猛獣のデスマッチなどのように、人間の根源には、「人が死ぬ瞬間を見たい」という欲望があるのかもしれない。だからこそ、その欲望を満たすためのショーが行われる。



本作品は、監督のイーライ・ロスが、タイで拷問殺人の募集を見たことがヒントになったらしい。映画よりも現実の人間の底知れない欲望にゾッとした。この作品の真の怖さは、グロ表現ではなく、現実との架橋というか、現実にあるかもしれない人身売買やこの手の凶行を想像し、絶望することなのかもしれない。

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