★★★☆☆[映画] アバター – Avatar (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

【この記事の所要時間 : 約 4 分

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22世紀、人類は地球から遠く離れたパンドラで<アバター計画>に着手していた。この星の先住民ナヴィと人間のDNAを組み合わせた肉体<アバター>を創ることで、有毒な大気の問題をクリアし、莫大な利益をもたらす鉱物を採掘しようというのだ。この計画に参加した元兵士ジェイクは車椅子の身だったが、<アバター>を得て体の自由を取り戻す。パンドラの地に降り立ち、ナヴィの族長の娘ネイティリと恋に落ちるジェイク。しかし彼はパンドラの生命を脅かす任務に疑問を抱き、この星の運命を決する選択を強いられていく……。

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。

世界興行収入歴代1位の26億4000万ドルを記録した大ヒット作品である。アバターのシナリオは、過去に作られたインディアン同情映画と同じ古典的な構造である。人類とナヴィ族の関係は、アメリカ入植者と先住民の関係がモチーフとなっており、アメリカの歴史をSFとして再構成したものとなっている。これは現代におけるイラクやアフガンへのアメリカの侵略に対するジェームス・キャメロンの贖罪映画なのかもしれない。

第二次世界大戦中に有色人種である日本軍の捕虜となった白人が「立場の逆転」という苦い経験を通じて作ったと言われる「猿の惑星」がSF映画という体裁をとりながら「白人の歴史」を比喩的に描いたように、本作品は「アメリカの歴史」を描いている。日本人の比喩的表現が「猿」だったように、インディアンの比喩的表現として、「異星のナヴィ族」というものが作り出されている。

風の谷のナウシカ、天空の城ラピュタ、もののけ姫などジブリ作品に影響を受けたであろう箇所もたくさんあり、アニミズム要素のあるSF作品として世界感を楽しむものになっている。

アニミズムを持つ先住民族を最新鋭の武器を使って地上げしていく様子は、以前読んだ五十嵐大介の「魔女」ともオーバーラップした。

シナリオ的に驚きやツイストなどの要素はなく、自然との共生というテーマにおける世界観や映像美を楽しむ作品である。

舞台となる異星・パンドラは、ギリシャ神話に由来している。神々が人間界へ遣わしたパンドラは、開けてはいけないと言われていた「パンドラの箱」を開けてしまう。そしてそこから飛び出したのは、人間を苦しめる疫病や災害、悲観、怒りといったものだったが、箱の中に最後に残っていたのは「希望」であったというエピソードである。そんな惑星パンドラを舞台とする本作品にはそのようなメッセージも込められているのではないだろうか?

また本作品のタイトルである「アバター」は、現実世界では思い通りにならずに悶々としている人々がネットやゲームの世界では別人のようにイキイキとし、現実世界よりネットやゲームの世界の方が本当の世界であるかのように感じてしまう危うさも表現しているように思ったが、主人公のジェイクが最後には人間世界ではなく、ナヴィ族の世界にシンパシーを感じ、そちらへ行ってしまう結末からは、現実世界でうまくいかない人の「希望」がそこにあるというメッセージなのかもしれないと感じた。(現実ではネトゲ廃人的で怖いが。。。。)

ピュリッツァー賞受賞作「銃・病原菌・鉄」に描かれた168人のスペイン部隊が4万人に守られるインカ皇帝を捕虜にしたような世界の歴史が未来でも繰り返されるような予言的な作品かもしれない。

アバター (字幕版)

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