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ナルキッソスは、ギリシア神話に登場する美少年である。神に対する侮辱を罰する神ネメシスは、他人を愛せないナルキッソスが、ただ自分だけを愛するようにする。ある日ナルキッソスが水面を見ると、中に美しい少年がいた。もちろんそれはナルキッソス本人だった。ナルキッソスはひと目で恋に落ちた。そしてそのまま水の中の美少年から離れることができなくなり、やせ細って死んだ。また、水面に写った自分に口付けをしようとしてそのまま落ちて水死したという話もある。ナルキッソスが死んだあとそこには水仙の花が咲いていた。この伝承から、スイセンのことを欧米ではナルシスと呼ぶ。また、ナルシ(シ)スト(ナルシシズム)という語の語源でもある。
ナルシスといえば、ナルシシズムで良く知られている。上の絵は、左にいる女性がナルシスに恋をしたニンフ・エコーである。そして水面の自分自身を眺めているのがナルシスである。そしてこの状態のまあ憔悴の果てにエコーは声だけになり、ナルシスは水仙になったと言われている。
(絵画で学ぶギリシャ神話・シリーズ)
ギリシャ神話というの日本人が覚えにくい名前がたくさん出てきてなかなかイメージがしくいと言われている。ギリシャ神話は聖書と同じくらい西洋絵画のモチーフとなっているので、絵画を紹介しながら登場人物についてエントリーしていくシリーズである。