僕は君たちに武器を配りたい – 瀧本 哲史 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 5 分

これから社会に旅立つ、あるいは旅立ったばかりの若者が、非情で残酷な日本社会を生き抜くための、「ゲリラ戦」のすすめである。20代が生き残るための思考法。

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書評・レビュー・感想

意識が高めの学生向けの本である。就活生向けともいえる。特に目新しいことは書いていない。ビジネスマンならほとんどの人が知っていることである。ちょっとタイトルに釣られたかな?
学生や入社間もない新人に危機感を持たせるにはちょうどいい本なのかもしれない。ただ、著者がいうように本書こそ、「不安解消マーケティング」の1つであり、日経新聞のように読んでも決して鵜呑みにしてはいけない。
著者は、まとめた「武器?」は以下の通りであるが、正直言えば、「どこに武器があるんでしょうか?」という感じではある。率直にいえば、妄想というか、空中戦というか、リアル感、現場感がない。学生にはそのあたりはわからないから学生向けなのかも。
各章ごとの「武器」は以下の通りである。
1章 : 勉強できてもコモディティ

・勉強ブームの陰には「不安解消マーケティング」がある。勉強すれば大丈夫と安易に思うな!
・インターネットによって、知識獲得コスト、教育コストが激減し、世界的な競争にさらされるなど、急激な社会変化に注視せよ!
・全産業で「コモディティ化」が進んでいる。賃金を下げないためにはコモディティになるな!
・生き残るためには「スペシャリティ」な人間になること。「唯一の人」になれ!

2章 : 「本物の資本主義」が日本にやってきた

・日本にやってきている「本物の資本主義」の姿を見極めよ!
・一部の「頭のいい人」ではなく、「より安く、よりいい商品」を作る人間が、社会を進歩させるシステムが資本主義。
・資本主義には3つのモデルチェンジ、「略奪」「交易」「生産性革命」があった。
・日本を支えてきた「擦り合わせ産業」はもはや通用しない。
・「ものづくり」にはこだわるな!国に頼るな!

3章 : 学校では教えてくれない資本主義の現在

・現役学生が起業するのは「高学歴ワーキングプア」への道。コモディティ企業を作るな!
・専業主婦はハイリスク。「婚活」ブームに踊らされずに、女性もキャリアを目指せ!
・金融業界など高給で知られる会社ほど、変化が激しく、短命な商品の寿命がそのままビジネスの寿命になる。
・現在人気の企業でも40年後は消滅している可能性が大。就職ランキングに騙されるな!
・日本の国内市場は先細り間違いなし。海外で働くことも考えよ。
・大量のコマーシャルを打っている会社、「今流行っている」商品・サービスを売る会社には気をつけよ!
・生産性の低い40代、50代社員が幸せそうにしている会社には入るな!
・企業を見極めるポイントは「お客さんを大切にしているか」。顧客を大事にする会社は従業員も大切にする。

4章 : 日本人で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ

・資本主義の世界で、稼ぐことができるのは6タイプ。
・しかしそのうちの「トレーダー」と「エキスパート」は価値を失いつつある。

5章 : 企業の浮沈のカギを握る「マーケター」という働き方

・マーケターとは新しくない要素の組み合わせで「差異」を作り出せる人のこと。これからのビジネスは「差異」が左右する。
・企業や商品で差をつけることは難しい。差をつけるには、ターゲットとなった顧客が共感できるストーリーを作ること。
・自分自身も「商品」。売る「場所」を変えることでまったく結果が違ってくる。
・「自分の頭で物事を考えない人」は、DQNビジネスのカモにされる。

6章 : イノベーター=起業家を目指せ

・自分の働く業界について、ヒト、モノ、カネの流れを徹底的に研究しろ!
・イノベーションのチャンスは「今しょぼい業界」にある。
・TTP(徹底的にパクる)と「逆の発想」がイノベーションを生む。

7章 : 本当はクレイジーなリーダーたち

・「駄馬」を使いこなすのが本当のマネジメント。
・クレイジーな人はコンプレックスを原動力とせよ!
・クレイジーでない人はリーダーのサポート役になれ!

8章 : 投資家として生きる本当の意味

・ローリスクより、リスクがとれる範囲のハイリスク・ハイリターンの選択誌をたくさん選べ。
・サラリーマンとは知らないうちにリスクを他人に丸投げするハイリスクな生き方。リスクは自分自身でコントロールせよ!
・投資は、長期的な視点で富を生み出し続けるか、ヒトが信頼できるか、の2点で判断する。
・日経新聞を読んでもけっして鵜呑みにするな。
・機関投資家は個人投資家をカモにしている。株式投資は「損して学ぶ」つもりで挑め。
・トレンドとサイクルを見極めることができればリターンが得られる。
・人を今の評価で判断しない!

9章 : ゲリラ戦のはじまり

・投資家として働くことで、世の中の見方が一変する。
・公開されている情報からでも、普通の人がやらない「ひと手間」をかけることで、大きな果実を手に入れられる。
・大学では「奴隷の勉強」に時間をかけず、自由人になるための「リベラル・アーツ(教養)」を学べ!
・本当の資本主義の時代に、「ほんとうに人間らしい関係」を探っていこう。

学生は読んでもいいかもしれないが、ある程度の社会人には役に立たないと思う。

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