★★★★★[映画] 愛人/ラマン – L’ Amant (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

【この記事の所要時間 : 約 3 分

愛人 ラマン【無修正版】 コレクターズ・エディション(初回生産限定) [Blu-ray]
ジェネオン・ユニバーサル

マルグリット・デュラスのベストセラーとなった自伝的小説を映画化したラブロマンス。29年。フランス植民地・インドシナのメコン川を渡る船の上で、15歳のフランス人少女はリムジンに乗る華僑の息子に出会う。

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。

愛を知る前に愛された少女の物語である。

仏領インドシナ(ベトナム)における人種差別と貧富の差を背景にした官能的ではありながらも痛々しくもある純粋な愛の作品である。原作は、原作者であるマルグリット・デュラスの自伝的物語であり、マルグリット・デュラスの若き日の体験が赤裸々に表現されている。



15歳のフランス人少女を演じたジェーン・マーチは、当時19歳だったらしい。映像でみると19歳にはとても見えない。少女から大人への階段を登るその途中の不安定でありながらも魅力的な姿が印象的だった。スレンダーな身体にワンピースとハイヒールという背伸びしたファッションも痛々しさをうまく表していたと思う。



カメラワークがとても良かったように感じた。濃厚なシーンも多かったが、車の中で手が触れ合うシーンは最もセクシーで魅力的だと思った。汗と息遣いから空気感が伝わってきた。

男は少女を愛していると云い、少女は愛していないと云う。当初、少女はあくまで貧しく、息苦しい家庭環境からの逃避と自分の快楽のためという割り切りだったと思う。男も少女の自分への思いは金目当てであると思い込もうとする。しかし、男は少女をますます愛していく。そして少女も男に惹かれていく。少女には父親がおらず、父親の不在が年の離れた男への興味につながったのかもしれない。



少女と男の関係に少女の母親や兄たちは嫌悪感を丸出しにする。男が少女の家族を招待した食事の場にて少女の家族が(支配者民族であるが貧乏なフランス人が)プライドを保つためにとった行動は「無視」である。しかし、男がもたらすカネにより、少女の母親は男と少女の関係を黙認する。大人は弱かったのである。

しかし、別れの時がくる。少女がフランスへ帰国することになり、フランスへ向かう船の中で少女は、男とよく聞いていたショパンのワルツを聞いて涙する。そこで少女は、男を愛していたから泣いたのではないと思う。自分があの男を愛していなかったということに確信がもてなくなっていたから泣いたのだろうと思う。

愛を知る前に愛された少女の悲哀の物語だった。


愛人ラマン(無修正版)[字幕版]

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