ジブリの教科書2 – 天空の城ラピュタ – スタジオジブリ (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 3 分

児童文学の系譜からみたラピュタの魅力とは?ドーラのようなイギリスの海賊はいたのか!?1986年公開の宮崎駿監督作品『天空の城ラピュタ』の奥行きを、森絵都、金原瑞人、夢枕獏、石田衣良、上橋菜穂子ら豪華執筆陣が読み解く。当時の制作現場の裏側からスタジオジブリ設立秘話まで、作品を十倍楽しく観るための決定本。

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書評・レビュー・感想

映画「風の谷のナウシカ」で監督は二度とやりたくないといった宮崎駿が次に作ったのは「天空の城ラピュタ」である。二度と監督はやりたくなかった宮崎駿がなぜ監督をすることになったのか・・・スタジオジブリ社長の鈴木敏夫が明かしたエピソードは知らなかった。高畑勲のあの映画が関わっていたとは・・・
映画マニアに宮崎作品でどの作品が一番好きか?と聞いてもたぶんラピュタを選ぶ人は少ないと思うが、映画マニアでない一般の人に聞けばラピュタを選ぶ人は多いと思う。不思議ではあるが、個人的にもラピュタが映画史に残る作品かといえばそうとも言えないと思うが、好きである。これは、この映画の対象が少年、少女であり、少年、少女が大人へと成長していく成長譚というものが多くの人を引き付けるからであり、だからこそ、形を変えていろいろな子供の成長譚が映画にされているからなんだろうと思う。
内容は、非常に正統的なストーリーである「行って帰ってくる」系である。現実から境界線を越えて別の世界へ行って帰ってくる。帰ってきた時には大人になっているという物語である。キャラクター設定も正統的で、何かが欠如している主人公がそれを回復する物語であり、回復する過程の冒険では、貴種であるお姫様がさらわれ、それを奪い返しにいく。ムスカという敵対者の設定やドーラという贈与者の設定、フラップターという呪具など非常に正統的であり、この基本線をはずさないプロットが多くの人に受け入れられている理由ではないかと思う。
本書の中にある湯本香樹実さんの以下の解説は気付かなかったが、納得である。

ムスカに囚えられたドーラの股の間から、パズーが顔を出すシーンがある。ドーラの「男になったね」という台詞が補強しているが、女性の股の間から頭を出すことの意味はいうまでもなくパズーの<生まれなおし>であろう。宮崎駿監督の世界に登場する人物たちは皆、多かれ少なかれなにかを損なったり失ったりしているが、「それでも生き続けるために生まれなおす」という可能性への強い意志が、ここではドーラのおおらかな母性と相まって実にポジティブに表現されている。

宮崎駿の弟である宮崎至郎の「兄・宮崎駿」と題したエッセイは面白かった。書かれたのは1989年であるが、初めて読んだので非常に新鮮だった。

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