★★★★☆[映画] レ・ミゼラブル(Les Misérables) – 愛とは生きる力 (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

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2012年12月21日公開のミュージカル映画である「レ・ミゼラブル(Les Misérables)」は、ヴィクトル・ユゴーの小説を原作として1980年代にロンドンで上演され、以後、ブロードウェイを含む世界各地でロングランされていた同名のミュージカル作品の映画化である。

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。

「レ・ミゼラブル(Les Misérables)」は、「哀れな人々」を意味する。その意味通り、哀れな人々がたくさん出てくるが、永遠に変わることのない真実の愛をテーマにした、ある一人の徒刑囚が偉大なる聖人として生涯を終えるまでの物語である。

全編がミュージカルなので、ある程度、原作を知っているとより楽しめると思うが、原作を知らなくても十分満足できる内容だと思う。パンを1つ盗んだために19年の長きにわたり監獄送りとなり人間不信、社会不信であった主人公ジャン・ヴァルジャンが、ある司教との出会いによって、正しき道へと進む決意をする。ここには父親と母親を早くに亡くしたジャン・ヴァルジャンにとって、司教という神の代理人が父性と母性の象徴であることが示し、見返りのない愛というものの存在と彼の生き方、将来の役割を暗示する内容となっている。

その後、意図せず自分のせいで売春婦にまで身を落としたある女性・ファンティーヌを助け、その娘・コゼットを自分の娘として庇護することになる。彼女に対しては、司教が自分にしてくれたように見返りのなく愛を注ぎ、父と母のいないコゼットの父性と母性を担うことになる。
絶望の淵にいたジャン・ヴァルジャンは、司教によって無償の愛が贈られる幸せを知り、コゼットによって無償の愛を贈る幸せを知る。ただ愛されるだけ、ただ愛するだけで幸せになれるということを示している。まさに副題となっている「愛とは生きる力」である。

そのようにして愛し、はぐくんだコゼットが、ある若者と恋をする。愛する者が自分から離れていく辛さに悩み苦しんだ挙げ句、その若者を助け、真実を隠したままコゼットを送り出す。小津安二郎の「晩春」のように育てた娘を送り出す苦悩は洋の東西を問わないのだろう。

最後には、真実を知ったコゼットが見守る中で天に召されていくジャン・ヴァルジャン。ある一人の徒刑囚が偉大なる聖人として生涯を終える瞬間である。

徒刑囚であるジャン・ヴァルジャンと彼を執拗に追いかけるジャベール警部は、それぞれ、「愛」と「法」の象徴であり、彼らの最後の対比によって「愛」と「法」の違い、「愛」の偉大さを伝える内容となっており、非常にキリスト教的な内容である。

ジャン・バルジャンを演じたヒュー・ジャックマン、ジャベールを演じたラッセル・クロウ、ファンティーヌを演じたアン・ハサウェイ、コゼットを演じたアマンダ・サイフリッド、みんなよかったが、やはりアン・ハサウェイはアカデミーの助演女優賞を取っただけあって艶があってよかった。おススメの作品!


レ・ミゼラブル Les Miserables(字幕版) [2012]

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