村を助くは誰ぞ – 岩井 三四二 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分

村を助くは誰ぞ (講談社文庫)
岩井 三四二
講談社

尾張が美濃に攻め寄せるという。軍勢が村へ入れば村人たちには生き死にの大問題だ。オトナ衆の次郎衛門は戦火から村を守るため、織田勢から自軍の乱妨と略奪を禁止する命令書をとりつけようとするが…。戦乱の中で奔走する村人たちの、たくましさとせつなさを描いた表題作を始め、全6本の粒ぞろい歴史短編集。

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書評・レビュー・感想

歴史に埋もれた人たちが必死に生きる姿が描かれている岩井三四二作品である。6つの短編からなっており、それぞれの主人公は異なるが、同時代(戦国時代)の作品となっている。
 ・ 那古屋小判金
 ・ 奇妙な密使
 ・ 天照大神宮へ寄進奉る
 ・ 村を助くは誰ぞ
 ・ 待ちわびて
 ・ 帰蝶
主人公が男のケースが多い中で、「待ちわびて」と「帰蝶」は女性が主人公となっており、より岩井三四二作品らしさを出している。「待ちわびて」は、戦に出た若者の帰りを待つ身重の女性、「帰蝶」は、使命を受けて正室の下女として働く下忍であるが、それぞれ守らなければならないものを持ちつつ、なんとか世の中を渡って行こうとする姿は現代にも通じる。現代風にいえば、二股をかけられた未婚の女性と子供を亡くしたキュリアウーマンということもできる。両作品とも味わい深く、この6作品の中では好みだった。
じんわりと読めるいい小説。

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