過不足がある『グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する』を読む

【この記事の所要時間 : 約 4 分


グーグル―Google 既存のビジネスを破壊するグーグル―Google 既存のビジネスを破壊する

6つの章それぞれがGoogleの本質の1つに焦点を当てている。
第一章 : すべては破壊していく
第二章 : すべてを凌駕していく
第三章 : すべてを再生していく
第四章 : すべてを発信していく
第五章 : すべてを選別していく
第六章 : すべてを支配していく


ウェブ進化論」と「ザ・サーチ グーグルが世界を変えた」の次のGoogle本として本書を読んでみた。
すでに書評(レビュー)もたくさんでているが、いくつか面白いとおもったものを抜粋すると、
FIFTH EDITION: 書評「ウェブ進化論」と「グーグル Google」。そしてメディアビジネスの競争構造の変化。

次の10年というのは、僕の理解では低コストのプレーヤーによる高コスト体質のプレーヤーの破壊だ。
高価値付加型のビジネスモデルによる競争でなく、低コストビジネスモデルでの競争という変化がそれを後押しする。
企業間競争は、再び、血みどろの戦いにはいった。インターネット、オープンソース、チープレボリューション。それらは、競争の原理すら変えてしまう。
コスト構造が不可避的に変化するからである。
永遠にではない。ルールがいつかは変わるまで。

404 Blog Not Found:すべてを一度懐疑していく

「ウェブ進化論」が、「『あちら側』から『こちら側』へのメッセージ」であるならば、本書は「『あちら側』にも『こちら側』にも属さない一ジャーナリストによる、『あちら側』がもたらす『こちら側』の変革レポート」となっている。どちらが共感しやすいかといえば「ウェブ進化論」だが、どちらがレポートして信用に足りるかといえば、本書である。

[R30]: 書評:「グーグル 既存のビジネスを破壊する」

『梅田氏が「ウェブ進化論」では割愛したGoogleの側面を過不足なく伝えている』というのはちょっと違うと思う。2冊ともGoogleという巨象をなで回した2人の著述家がそれぞれの考えを述べているに過ぎないのであって、全体を見ることができないGoogleに対して今「過不足なく」述べることができる人など、世界中どこを探しても存在するわけがないからである。

この中では「R30」さんの記事が一番納得できた。
本ブログの「ウェブ進化論 前編」でも書いたことだが、
グーグルに関しては、内田樹先生がラカンやレヴィナスについて語っていたことが当てはまるように思う。

レヴィナスやラカンのようなスケールの思想家の考えていることは長い船体を持つ船に似ている。まず船首が見えて、それが視野を通過し、ずいぶんたってからようやく船尾が見えてくるが、そのときはもう船首は視野の外なのだ。巨大なスケールの思想については、私たち凡人は決して「一望俯瞰的」に語ることができない。そこにはどうしても「時間」という要素が必要になる。長い時間をかけて思考の歴程をたどるという忍耐強い作業が必要になる。読み始めたときにはその意味を知らなかった概念が血肉化され、それまでの常識が放棄されていくという自己変容のプロセスを経験しなければならない。

「R30」さんがいうように、「全体を見ることができないGoogleに対して今「過不足なく」述べることができる人など、世界中どこを探しても存在するわけがない」ということである。
かといってGoogleを見ることをあきらめるというのではなく、一望俯瞰的に語ることはできないが、時間をかけ発酵させていけば自己変容というプロセスを通して理解に近づくのだと思う。
今の理解では、Googleは、媒体といわれるテレビ、ラジオ、雑誌、交通広告、チラシと電通や博報堂などを含めた広告代理店、またはその両方の機能をもつリクルートのような企業をあわせた機能をもっており、Googleという企業内部でそれらすべてを行い、かつ広げていっている技術力のあるインフラ企業だと思う。
そして、その広告媒体としてオーバースペック問題を解決して隅々まで行き届いた適度な場所に適度な広告を配信することを可能にし、今まで広告を出せなかった(もしくは出しても効果がでなかった)部分に特に影響を与え、逆に広告をとれなかった小さな小さな媒体(個人HPなど)のGoogleの広告媒体への取り込みに成功している。
「塵も積もれば山となる」戦略=ロングテール戦略が成功している例となっている。
これからビジネスで何かやっていこうと考えている人(たぶん日本のかなりの人がこのカテゴリに含まれると思う)は、「ザ・サーチ」「ウェブ進化論」と本書は、必読だと思うし、買って損はない。

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