★★★☆☆[映画] 武士の家計簿 (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

【この記事の所要時間 : 約 3 分

代々加賀藩の御算用者(経理係)である下級武士の猪山直之(堺雅人)は、稼業のそろばんの腕を磨き出世する。しかし、親戚つき合い,養育費、冠婚葬祭と、武士の慣習で出世のたびに出費が増え、いつしか家計は火の車。一家の窮地に直之は、”家計立て直し”を宣言。家財を売り払い、妻のお駒に支えられつつ、家族一丸となって倹約生活を実行していく。見栄や世間体を捨てても直之が守りたかったもの、そしてわが子に伝えようとした思いとは-。世間体や時流に惑わされることなく、つつましくも堅実に生きた猪山三世代にわたる親子の絆と家族愛を描いた物語。

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。

昔、読んで非常に内容が良かった「武士の家計簿」が2010年に映画化されているのは知っていたが、まだ見ていなかったので見てみた。

原作を先に読んでいて内容を知っているとちょっとがっかりするかもしれない。映画自体は悪くないのだが、私が感じた原作にある面白さが映画からは抜け落ちていた。ただ、原作を読んでいない人には、ハートウォーミングな映画として楽しく見れるのではないかと思う。

原作にある緻密な計算やディテールの積上げなどは映画向きではないのかもしれないが、原作者・磯田道史さんが「金沢藩士猪山家文書」という古文書を見つけた時の感動、その感動のワケを考えるとそこをはずしてはいけないだろうという思いがある。その意味で個人的にはがっかりした映画だった。

借金返済の根源的な原因である身分費用と、江戸から明治にかけてかわる身分費用に関する部分の考察など原作の重要な部分が抜け落ちている。なぜ借金返済がうまくいったのかが映画だけをみると単なる我慢、忍耐、清貧というとらえ方しかできないが、実際はそうではないのががっかりの大きな原因である。原作は知的好奇心を刺激するものだっただけに、映画での単なる幕末から明治維新を生き残ったそろばん侍的な扱いには首をひねった。

武士の家計簿

映画を見て、良かったと思われる方にはぜひ原作をおススメしたい!原作は学者が著者であるため小説ではなく解説風に書かれているが、読みやすく、内容も充実している。

猪山直之日記―加賀藩御算用者 (時鐘舎新書)
石崎 建治
北國新聞社出版局
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