絶対貧困 ― 世界リアル貧困学講義 – 石井 光太 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分

絶対貧困―世界人口約67億人のうち、1日をわずか1ドル以下で暮らす人々が12億人もいるという。だが、「貧しさ」はあまりにも画一的に語られてはいないか。スラムにも、悲惨な生活がある一方で、逞しく稼ぎ、恋愛をし、子供を産み育てる営みがある。アジア、中東からアフリカまで、彼らは如何なる社会に生きて、衣・食・住を得ているのか。貧困への眼差しを一転させる渾身の全14講。

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書評・レビュー・感想

貧困層を現場にて取材したルポタージュである。そして、世界中の貧困層(アフリカ、中東、アジア)を取材対象としているため世界の貧困層の全体像をつかむには非常に良い本である。
スラムの成り立ちなどは、まさにフィールドワークなしでは理解できない内容であり、スラムに暮らす人々の表の職業と裏の職業についての分析など知らなかったことも多かった。また日本人からすると理解しにくい物売りや物乞いのカテゴリやヒエラルキーなどわかりやすく解説されている。なかなか取材しにくい性に関する部分も著者は果敢に切り込んでいる。恋愛、結婚、出産、葬儀など一般人からはブラックボックスとなっている部分に光をあてている。
ストリートチルドレンや売春などの犯罪ビジネスの構造など実態が紹介されていてとても興味深かった。途上国に対する援助の問題はいろいろと難しい面があるが、その理由の一旦が本書にあるように感じた。また日本に生まれた幸せを感じざるを得なかったし、そう感じない人は読者にはいないだろう。
本書を読み終った後、本書のタイトルが「貧困」ではなく、「絶対貧困」であることを考えると、激しい同意とともに虚脱感を覚える。アフリカ 苦悩する大陸を読んだ時と同じ感覚である。
気が滅入る内容であるが、事実であり、難しい問題である。バックパッカーとして海外に行く若い人に読んでほしい一冊である。

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