★★★★☆[映画] J・エドガー – J. Edgar (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

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アメリカの警察組織の頂点であるFBIを築き上げた初代長官、ジョン・エドガー・フーバー。国民的英雄でありながらも、つねに黒い疑惑やスキャンダラスな噂がつきまとっていた男の、危険で巨大な権力と裏に隠された人間性を描くドラマ。

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。

フーバーFBI長官として有名なジョン・エドガー・フーバーを描いた作品である。フーバーではなく、J・エドガーというタイトルを使っていることから公的なフーバーではなく、私的なフーバーに重点が置かれていることが示されている。

フーバーは、死ぬまで48年間もFBI長官を務めたことで有名であり、盗聴、脅迫、マフィアとの関係などかなり後ろ暗い側面を持っていたことでも知られている。本作品ではそういった公的な面も描かれているが、私的な面である、ゲイ、マザコン、人種差別者、女装趣味、ギャンブル狂により焦点が当てられている。

自分の権力を脅かすものを盗聴し、脅迫するスタイルで48年もの間、権力を握り続けているが、その原因となるものが自身の私的な部分であることが示唆されている。

フーバー自身が自分の自伝を口述筆記させ、その当時のことを思い返しながら映画が進んでいくが、あとからそれがいかにフーバーに都合のよい物語になっていたかということがわかる。フーバーの相方であったクライド・トルソンとの関係は、当時なかなか一般的に認知されておらず、フーバー自身が否定し、ターゲットにしていたそのものでもあった。彼は、FBIの職員が同性愛者だとわかられば解雇していたと言われているが、FBI長官と副長官が同性愛者であり、フーバーの秘書を50年以上勤めたヘレン・ガンディもレズビアンだったと言われている。

フーバーを演じたのはディカプリオであるが、二十代のフーバーから77歳までを演じており、老人の役は、リアルで、ディカプリオではないような雰囲気だった。最後は、黒人のメイドに半裸でベッドから落ちたままの状態にされていることから彼のメイドに対する人種差別が激しかったことがうかがい知れる。

フーバーの死後、ヘレン・ガンディは、何十年にもわたり、フーバーが集めた政治家や著名人に対する盗聴や個人情報などの違法情報を処分したとされている。ヘレン・ガンディが処分したファイルが存在したために、歴代の大統領は生前のフーバーの首を切れなかった。その中には、ケネディやキング牧師の情事、裁判官の電話盗聴記録、ジェーン・フォンダの郵便開封調査結果などが含まれていたとされているが永遠の謎となっている。

本作品は、アメリカの動乱の歴史を振り返りながら、例をみないほど長期間にわたって権力を維持してきた男の内面を冷めた静かな画面構成と展開で描いているが、本質はフーバーという怪物がどのようにしてできあがったのかに対するクリント・イーストウッドの回答であると思う。


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FBIフーバー長官の呪い (文春文庫)
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