絵画で学ぶ新約聖書 – 洗礼者ヨハネ編

【この記事の所要時間 : 約 4 分


洗礼者ヨハネとは、新約聖書に登場する預言者である。ヨルダン川にてイエスに洗礼を授けたことから、洗礼者ヨハネとも呼ばれる。
イエスの母マリアとヨハネの母エリザベトは親類だったといわれている。ヨハネはヨルダン川流域の荒れ野にてラクダの毛の衣を身にまとい、イナゴと野蜜だけを食して聖者として生活を送っていたとのこと。
イエスとヨハネが子供時代に出会ったことはなかったらしいが、以下の絵のように、子供時代のイエスとマリア、ヨハネの3人が一緒に描かれているものもある。杖状の細長い十字架はヨハネのシンボルであるので、それをもっているのがヨハネである。

ヨハネは、イエスの到来を告げる役割を持った預言者と言われるがそれは、旧約聖書のイザヤ書に以下のような予言があるためである。

見よ、私はあなたより先に使者を遣わし、あなたの前に道を準備させよう。荒れ野で叫ぶ者の声がする。「主の道を整え、その道筋をまっすぐにせよ。」

ヨハネはイザヤ書のあなたより先に使者を遣わし、の使者とよく一致していた。

その後、イエスがヨハネの前に現れ、「洗礼してほしい」と言い、ヨハネはイエスに洗礼を施す。イエスは、ヨハネについて以下のように述べている。

およそ女から生まれた者のうち、ヨハネより偉大な者はいない。しかし、神の国でもっとも小さな者でも、彼よりは偉大である。

上記の絵では、上から腕、鳩、イエスの順で描かれているが、これは、神、聖霊、イエスの三位一体を表しているといわれている。
この絵画はヴェロッキオの「キリストの洗礼」であるが、この絵をきっかけにヴェロッキオは絵の制作を辞め、彫刻に専念したと言われている。なぜだろうか。それは、ここに描かれている2人の天使のうち左側の天使に原因がある。この絵画はヴェロッキオが運営するヴェロッキオ工房へ発注され、当時一般的だったように、ヴェロッキオがすべてを描いたわけではなく、構想や全体像をヴェロッキオが指示し、弟子が背景や人物などを描き、最後の仕上げをヴェロッキオがするというような仕組みとなっていた。そして左側の天使を描いたのはヴェロッキオの弟子であったヴィンチ村出身の青年である。この弟子の天使を見てヴェロッキオは自分が絵画においてはこの弟子に勝てないだろうと悟ったと言われている。そのヴェロッキオの弟子とはレオナルド・ダ・ヴィンチである。
洗礼者ヨハネは、当時のユダヤ王・ヘロデ・アンティパスの結婚を非難し捕らえられ、首をはねられて処刑されたが、その首を求めた人物がサロメであり、妖女サロメとも言われる。

洗礼者ヨハネがヘロデ・アンティパスの結婚を非難した理由は、相手が弟の妻ヘロディアだったからだと言われている。サロメは、前夫との子供であった。ある時、サロメは、ヘロデ・アンティパスに、祝宴での舞踏の褒美として「好きなものを求めよ」と言われる。母ヘロディアに相談した結果、「洗礼者ヨハネの首」を求めた。
上記の絵のように盆の上に洗礼者ヨハネの首が載ったものがよく描かれている。
男性の首をもつ女性のモティーフにはユーディットがあるが、ユーディットは剣を持ち、首をそのまま持っていることが多いのに対して、サロメは剣を持たずに、首を盆にのせているという違いがある。

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