★★★★☆[映画] ターミナル – The Terminal (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

【この記事の所要時間 : 約 4 分

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スティーブン・スピルバーグ監督が空港で起こる出会いと別れを描いた感動ドラマ。言葉が通じない空港で足止めされた男が、ある約束を果たすために空港ターミナルで生活を始め、周囲の人々と交流を深めていく。

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。

トム・ハンクス演じる主人公のビクター・ナボルスキーは、ロシア周辺のクラコージアという国からNYにやってきたが、飛行機が出発した後で母国でクーデターが起こったため、パスポートが無効となり、NYに入国できなくなり、空港内でとどめ置かれることになる。

舞台の設定が空港になっているのは、旅立ちや別れの象徴を暗示していると思われる。また、空港で働く職員は、白人、黒人、ヒスパニック、インド系、アジア系など様々であり、ビデオによる監視、食文化、本屋、住所や電話番号がないと仕事ができないなどまさに「アメリカ」の象徴でもある。

自分の国(クラコージア)がなくなり、帰れなくなったビクターが、時を経て、国に戻っていくストーリーは、監督のスピルバーグがユダヤ人であることを考えると、国を奪われ、帰れなくなったユダヤ人がイスラエルを建国して、戻っていたストーリーと同じであることがわかる。ユダヤ人を暗示するビクターが、アメリカを暗示する空港で、さまざまな嫌がらせや差別を受けることからもそれがうかがいしれる。

そんなビクターが空港内で少しづつ、人の役に立ち、その能力や気持ち、境遇などにより空港で働く人たちから暖かい目で見られるようになり、皆がビクターに協力し応援するようになる。アメリカ社会のポジティブな側面である。逆に、英語を理解しないビクターに通訳なしでしゃべりかける空港の警備主任・ディクソンや、ルールや規則を盾に融通を効かせられなかったり、ビデオでずっと監視することなどは、アメリカ社会のネガディプな側面として描かれている。

そんなビクターが恋をするのが、 5分と1人でいられず、毒になる男と知っていても惹かれてしまうというフライトアテンダントのアメリアである。待つビクターに対して、飛び回るアメリアと対照的な2人であったが、一度は恋が実ったように思えたが、やはりアメリアは元の不倫男のもとに戻ってしまう。これは「運命」なんだろうと思う。なぜなら、ナポレオンが好きなアメリアに、ビクターは、ナポレオンがジョセフィーヌに贈ったものは何か?と聞くがその答えが、「運命」と彫られた指輪だからである。

ビクターがNYに行きたかった理由は、父親との約束を果たすためであり、その約束とは、ベニー・ゴルソンからサインをもらうことであった。クラコージアの父親の元にアメリカから送られてきた数々のジャズプレーヤーたちのサイン。これは、アメリカの自由を暗示しているように思う。NYに「自由」を求めてやってきたビクターはその「自由」を手に入れて祖国に戻っていく。やはりユダヤの物語なんだなあと感じた。


ターミナル (字幕版)

ターミナル (日本語吹替版)

映画の中で出てくるジャズメンたちの写真は、以下である。ちなみにベニー・ゴルソンは、一番上の段の左から2人目である。

ポスターも売られている。

映画の中でベニー・ゴルソンが演奏していたのは以下のアルバムに入っている「キラー・ジョー 」である。

ミート・ザ・ジャズテット
アート・ファーマー&ベニー・ゴルソン
ユニバーサル ミュージック クラシック
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