★★★☆☆[映画] サイン – Signs (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

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元牧師のグラハム(メル・ギブソン)は、半年前に妻を不幸な事故で亡くしてから一切の信仰を捨てた。今は幼い子ども2人と、マイナーリーグのスター選手だった弟メリル(ホアキン・フェニックス)と暮らしている。ある日、彼のトウモロコシ畑にミステリーサークルが出現したことをきっかけに、不可解な出来事が次々に起こりはじめる。やがて、恐ろしい事件を経て、全ての“サイン(兆候)”の意味が明らかに…。

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。

この作品は、SF映画またはミステリー映画として観ると非常につまらないと感じると思われる。宇宙人が登場して小説「宇宙戦争」に近いのかな?とはじめは思ったが、観終わってから考えるとこの映画のテーマは、「信仰と家族愛」であることがわかった。

主人公のグラハムが元牧師ということがはじめに明らかになるので、宗教的意味のある作品であることはすぐにわかった。そして、妻の不条理な事故死によって信仰を失い、牧師を辞め、子供2人と弟の4人で暮らしている。親子関係がうまくいっていないことは、叔父のメリルにモーガンが、「叔父さんがパパだったら・・・」と言ったり、どこへ逃げるかの家族会議でグラハムだけが孤立することからもうかがい知ることができる。

グラハムは弟のメリルに、人間には2つのグループがあり、1つは奇跡を信じるグループで、もう1つはただの偶然と思うグループであり、お前はどちらだと問う。これは明らかに神の意思を信じるかどうかという信仰の有無を聞いている。妻の死後、牧師を辞めて信仰を失ったグラハムは、後者であり、何か物事を観察してそれがなにかの神の意思(サイン)であるのではないか?と考えなくなっている。

映画の中では、子供たちが先にミステリーサークル(宇宙人来訪のサイン)に気づき、無線の音にも宇宙人の存在を感じるが、大人はそれを雑音と判断することによって暗示しているのではないかと思う。宇宙人との戦いによってグラハムは、神の意思(サイン)を感じ、信仰を取り戻すことになる。

キリスト教的な要素としては、宇宙人が襲ってくる前に家族全員で好きなものを食べる場面があるがこれは最後の晩餐の暗示であり、宇宙人に襲われ逃げ惑う場面は試練の暗示、モーガンが宇宙人の毒ガスによって死んだと思われたのに生き返ったのはイエスの復活の暗示となっている。モーガンが生き返ることによって奇跡を感じ、牧師に戻ることによって信仰への復帰を果たす。

なぜグラハムは信仰を取り戻したのだろうか?それは、妻の臨終の言葉やモーガンの喘息、ボーが水の入ったグラスをたくさん部屋に置いていることなどが、神の意思(サイン)であり、宇宙人を倒し、家族を守るという奇跡につながったと感じたからである。

SFではないので、宇宙人やUFOはそれほど重要ではないが、SFとしてみれば、なかなか厳しいものがあることはよくわかる。「信仰と家族愛」の映画として見れるかどうかがこの映画の評価に大きく関わってくると思った。

上記が私の解釈であるが、アマゾンのレビューには以下のようなものがあった。なるほどこういう解釈もいいなあと感じた。

兄は妻の事故死の後、神の声を聞く事が出来なくなった。弟は結果にとらわれ、仲間の声を聞く事がなかった。外からの声(サイン)を聞く為には、いつも心を静かにして開放している必要がある。その声はとても小さい。自分から問いただしたり、何かにとらわれていれば、雑音に紛れて聞えないだろう。「サイン」=神の啓示、などと大げさに考える必要は無い。家族、友人、恋人、自然、そして意識していない私自身の心。彼らが小さな「サイン」を発した時、私はきちんとその声を聞き、応じる事が出来るだろうか?

この映画は、見方によって評価が分かれる作品であるが、映画の楽しみ方(映画を観た後に意味を考えたり、他人と意見を交換したり等)を考えるには良い作品だと思う。

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