身の上話 – 佐藤 正午 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分

この主人公の流され方に、自分は違うと言い切れますか。人間・人生の不可思議をとことん突きつめる、著者の新たな代表作の誕生。

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書評・レビュー・感想

久しぶりの佐藤正午。好きな小説家の1人である。ちなみに、このブログの副題である「ブログする男は秒きざみでずるくなる」は、佐藤正午の小説の中に登場する「沈黙した女は秒きざみでずるくなる」のモジリである。
佐藤正午といえば、優柔不断で鈍感でパッとしないごくごく普通の男について書くのが圧倒的にうまいという印象であるが、本書の主人公は女性である。本書の語り部は男性であるが、主人公が女性という点でいつも佐藤正午とは違った雰囲気を感じた。
しかし、やはり佐藤正午が選ぶ女性は、キレイでも、頭がいいわけでも、お金持ちでもないごくごく普通の身勝手な女性である。少し流されやすい面はあるが・・・その流されやすさから予想外の展開が待ち受けている。
そんな平凡な女性が、男に、金に、仲間に流されていく様子が淡々と描かれている。そして最後に行き着く先も。ほんのささいなことから人生が大きく狂っていく。本書のタイトルもあとになれば、よくわかるように構造化されている。
本書を読み終った後、うまくまとめられた感があった。佐藤正午をはじめて読む方は、より強く感じるかもしれない。こういった本を読むとどこかで大どんでん返しがあるのでは?と思いながら読むからである。本書は推理小説ではないので、淡々と終わる、そのあたりは評価が分かれるところかもしれない。「淡々と終わる」のが佐藤正午なのである。ただ、最後の部分に少しつけたして、「ユージュアルサスペクツ」っぽくすれば、2度読み、3度読みしたくなるサスペンス小説になったかもしれない。ただ、やはり文章は読ませる。さすがである。おススメの一冊。
過去に読んだ、佐藤正午作品のレビューは以下の通り。
 ・ ジャンプ
 ・ カップルズ
 ・ 人参倶楽部
 ・ 恋を数えて
 ・ 夏の情婦
 ・ 永遠の1/2
 ・ バニシングポイント
 ・ ビコーズ
 ・ 女について
 ・ きみは誤解している

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