★★★★★[映画] ソウ – SAW (レビュー・感想・解説・ネタバレ)

【この記事の所要時間 : 約 4 分

老朽化したバスルームで目覚めた2人の男、ゴードンとアダム。それぞれ足首に鎖をはめられている。2人の間には自殺死体。まったく見当がつかない“状況”に散乱する、テープ・レコーダー、“再生せよ”と書かれたテープ、一発の弾、タバコ2本、着信専用携帯電話、そして2本のノコギリ。耳障りな秒針の音と共に告げられたのは、「6時間以内に相手を殺すか、2人とも死ぬか」だった。ここは真っ白な地獄なのか?白く広い浴室につながれた2人。生きるために相手を殺せ・・・

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レビュー・感想・解説・ネタバレ

完全ネタばれなので、映画未視聴の方は、決して読まないように。

ホラーはあまり好きではないが、評判がいい作品でまだ未視聴だった「ソウ – SAW」を観た。シリーズものとしてかなりのリリースされていることは知っていたが、やっぱり初期の作品がいいという話を聞いたのでやっぱり1作目から。

密室で起こる死のゲームであるが、最近観た映画の中では、ユージュアル・サスペクツ的に完成された作品だと思う。脚本がすばらしい。本作の脚本は、アダム役のリー・ワネルが担当しているが、まさにあっと驚くツイスト!物語の最後の最後に、核心を揺るがす秘密を知ることになる。

冒頭で仕組まれた心理作戦にみごとにひっかかってしまい、きっちりと最後にツイストを決められてしまった。最後の大きなツイストの前に軽いハプニング、サプライズが数分おきに入るのでそれに目を奪われていたら、最後にドカン!と。

日本語タイトルが、カタカナになっている理由もあとから理解。ゴードンには生き残る方法が示されていたが、アダムには示されていなかった。なぜだろうと考えたが、麻薬中毒の女がアゴを砕くヘッドギアをはずすために麻薬を打たれて動けなくなっている男の腹から鍵を取り出すシーンがあったので、アダムもその男同様、生き残る方法などなかったと考えるのが一番だと思った。そう考えると、アダムという名前がアダムとイブを連想するし、犯人は自分のことを「神」と考えていることからも、アダムがなんらかの禁断の行いをした結果、この部屋に追放され(失楽園)、死を迎えること(死すべき定めを負うこと)が暗示されているように思う。キリスト教におけるこの「原罪」は、神に対する不服従の罪とされている。つまりアダムの禁断の行いとは、なんらかの形での犯人への裏切り行為と考えられる。

腹から鍵を取り出された男も、映画中には表現されていないが、過去になにか禁断の行いをしたのかもしれない。元・刑事のタップは、犯人を捕まえようとして喉を掻き切られ、傷を負っている。キリスト教では人間ののどにある喉頭を「アダムのリンゴ」と呼んでいることから、犯人の正体を暴こうとする行為が禁断の果実であることを暗示しており、そのタップからの依頼を受けて、犯人捜しのための盗撮をしたことが、アダムの犯人への裏切り行為とみなされたと考えることができる。その意味では、禁断の果実を食べることを唆したタップは、アダムとイブの「蛇」の役割も担っている。

この死のゲームの参加者は4人である。密室に入れられたゴードンとアダム、そして模擬犯のゼップと元・刑事のタップ。この中で生き残る方法が示されていたのは、ゴードンとゼップの2人だけである。つまり、アダムとタップは最初から死ぬ運命だったと解釈できる。理由は上述した通りである。

アダム視点では、この密室がすでに追放された場所であるが、生き残る方法が示されているゴードン視点では違う。自分の足を切ることで腹這いとなってこの部屋からでていく様子は、神の呪いによって足を無くしたアダムとイブに登場する「蛇」のようである。蛇は、聖書的には悪魔の化身であり、神を誹謗中傷し、人間を誘惑する存在である。神である犯人を人間ではなくモノ扱いし、女性実習生を誘惑して不倫するゴードンを悪魔の化身として蛇に見立てていると解釈できる。



SAWは複数の意味のある単語となっているが、よく考えられたタイトル、脚本だと思う。

すばらしい作品!!おススメ!

ソウ(字幕版)

キリスト教シンボル事典 (文庫クセジュ)
ミシェル フイエ
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