ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない – 漆原 直行 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 4 分

ビジネス書はビジネスマンに夢を見せてくれるという点で「島耕作」シリーズと同じ。それが“現実的かどうか”は問題ではない。ビジネス書は「栄養ドリンク」みたいなもの。一時的に血糖値を上げ、ヤル気にさせてくれるが、医学的効果は果してどうなのか。ビジネス書はいうなれば「道に迷ったときのタバコ屋のおばさん」。方向を教えてはくれるものの、歩き出すのはあくまで当人……。

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書評・レビュー・感想

ビジネス書を読んでも何故立派なビジネスマンになれないか?について書かれた本。まとまっており非常に読みやすい。ビジネス書をよく読む人には一読することをおススメしたい。
ビジネス本や自己啓発本のルーツを探る部分は特におススメ。なんとなくそうではないか?と思っていたことをちゃんと言葉にしてもらったシックリ感があった。自己啓発本にありがちなあの自己肯定とポジティブシンキングの謎について書かれている。いきつくところは「宗教(キリスト教)」だったわけだが・・・・
キリスト教について詳しく知らないが、「ニューソート」というのがビジネス本や自己啓発本の源流とのことで、ニューソートの思想に影響を受けた人の名前をあげていくと著名なビジネス本の著者に行き当たるということみたい。ナポレオン・ヒルやデール・カーネギー、ジョセフ・マーフィーなどである。
ものごとが生まれるのには理由があり、社会的背景があるわけだが、それらにきちんと触れられているので理解が進んだ。ビジネス本や自己啓発本で語られている内容は、キリスト教の牧師によってかたられていると考えてみれば、わかりやすいかもしれない。宗教にはまっている人に外部から何を言っても聞かないという点もビジネス書にはまっている人に・・・・というのが当てはまるかもしれない。
ワタミの新入社員が過労自殺した件で、渡邉美樹会長の「労務管理できていなかったとの認識は、ありません」というツイートが話題となったが、彼のような夢を理念を語るビジネスマンに願えば叶うという「ニューソート」の思考を強く感じることができるが、やはりそのような方が運営する企業は、新興宗教のようだともいわれれる通り、やはり「宗教性」を抜きに語ることは難しいだろう。自分ができたことは他人にもできると考え、ポジティブシンキングを土台にして、「やればできる」を強制する。本人は、まったく悪意はなく、相手のため、社会のためと思っているという点も宗教と似ている。
本書ではもうちょっときちんとして言い回しで書いているので、興味があれば読んでみることをおススメしたい。
本書では、ビジネス書というビジネスについても書かれているが、この手のものは構造は同じなので、ビジネス書を書きたいという人を集めて塾形式にして・・・なんてのも、起業したい人を集めて塾形式にして・・・やアフィリエイトで儲けたい人を集めて塾形式にして・・・と同じ構造になっている。不安感をあおりつつ、一部の突出した人を例に出し、あなたにもできるというポジティブシンキングを土台にする。
本書は、ビジネス書の効用をけっして否定しているわけではない。ビジネス書を読んだだけで勉強した、成長した、きっかけをつかんだみたいな軽い高揚感に惑わさている人に注意喚起をしているだけである。ビジネス本や自己啓発本にはネタ本があり、だいたいそれらの派生書籍になっていることが多いので、大量にいろんなものを読むくらいなら、厳選したそのネタ本を読む方がいいと勧めている。
著者はその厳選したネタ本として2冊例にあげている。それが、「7つの習慣」と「思考は現実化する」である。

7つの習慣―成功には原則があった!
7つの習慣

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スティーブン・R. コヴィー
キングベアー出版
思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき
ナポレオン ヒル
きこ書房

ビジネス書に翻弄されている人には必読書の書といえる。

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