論理力を鍛えるトレーニングブック – 渡辺 パコ (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 7 分

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書評・レビュー・感想

日本人が論理思考が苦手な原因は、練習をしていないからです。練習とは、思考のツールを使いこなす練習です。
・論理思考の基礎

 ・思考の飛躍やモレをなくし、緻密にすること。
 ・構造的に考えることで後から過程を追えるようにすること。

・思考のツール
思考の方法は1つではない。論理思考をするための方法は昔から考えられてきた。そのようなツールを使うことでゼロから考えるよりも早く思考できる。ただし、それがすべてでない。そのようなツールを使うのか、自分でその他のものを使うのか、は選択しなければならないし、できなくてはならない。そのために、思考のツールとはどういうものでどういった場合に利用すれば役に立つのか知っておく必要がある。
 ・ 帰納法
 ・ 演繹法
 ・ MECE(ミーシー)
 ・ ロジックツリー
 ・ ピラミッドストラクチャ
帰納法の論理構造は、

「実例を何件もあげ、その実例に共通する命題は正しいと結論する」ことであるが、あくまで「推論」であるので、「おそらく・・・は正しいだろう」という以上の結論を導き出すことは、原理的に難しい。ではなぜ、いままで帰納法が受け入れられてきたかというと、発言者と受け手の間で納得感があれば、別の受け手との間では納得感がない(不適切なロジック)とされているものであっても、妥当性があると判断されるからだ。つまり、帰納法によるロジックは、永遠不変というよりは、納得感があるロジックであればいいという宿命にある。

演繹法の論理構造は、

「大前提⇒小前提⇒結論」というものである。大前提と小前提が正しいなら、必ず結論は正しくなるが、この大前提と小前提はどうして正しいと導き出されたかといえば、大抵は、帰納法を使って導き出されている。つまり最終的な問題点は帰納法と同じになるのだが、形としては「論理的には正しいが、結論は正しくない」状態も生まれる。ここで重要なのは、あるきっかけで大前提がくずれたりするので崩れるとしたらどういう場合か?などという新しい前提を考えたりするという新しい演繹法の論理展開が生まれることだ。そのまま普通に演繹法を使うと、結論は誰もが知っている結論になり、結論が新しい価値を持たない場合が多いが、最初の大前提がどのようなものなのかを考えるために使うと、価値がでてくる。そういう意味で演繹法は使い方が非常に重要なツールである。

MECE(ミーシー)の論理構造は、

「モレなく、ダブりなく」複数の領域に分けて考えることである。「Mutually Exclusive,Collectivily Exhaustive」の頭文字をとったものでマッキンゼ−などがビジネスに使いやすいように体系化し直したことから知られるようになった。「0〜19歳、20〜29歳、30〜45歳、46〜60歳、60歳以上」という分け方は、MECEであるが、「児童、学生、OL、ビジネスマン、主婦、高齢者」という分け方はMECEではない。なぜなら「仕事を持つ主婦」や「ビジネスの一線にたつ高齢者」というダブりがあるからだ。このようにモレやダブりなく考えるために考えるのがMECEである。MECEをビジネス用に使えるようにしたのが「フレームワーク」と呼ばれるものである。これは、3Cや4P、バリューチェーンなどMECEであり、同時にビジネスで使いやすい切り分けをしているもので、専門家を含めて、周知されている。なぜなら、フレームワークを使っている限り、MECEでなくなることがないので、モレやダブりがあるかを気にすることなく、スピーディに思考できるのでよく使われている。ただ、MECEにも限界がある。厳密なMECEを作ることが難しいからだ。たしかに「0〜19歳・・・」という分類はMECEであるが、20代という分類がビジネス上、本当に意味のある分類かというとそれは言えない。30歳の誕生日と同時に消費行動が変わるとは、考えにくいからだ。よってコンサルタントの間でも、「厳密なMECEにする必要はない。MECE感が大事」と言われている。

ロジックツリーの論理構造は、

「問題提起⇒ツリー状に案を構造化(ブレイクダウン)」することだ。これは、網羅性の高い思考ができるが、欠点もある。出された案が、「実行可能か」や「それを自分達が本当にやりたいのか」という部分を問わないままで来ているので、目的達成のために必要だが実際は、限りなく不可能に近い案などがでてくる。こうなると机上の空論となる恐れが出てくるので十分注意する必要がある。

ピラミッドストラクチャの論理構造は、

「具体的な情報や観察事項⇒推論」することだ。これは、ロジックツリーとはまったく逆の思考ツールである。これはロジックツリーと違って下部から出発するので、事実を外す心配はない。そのかわり、上位概念・推論をつくることが難しい。

・思考ツールを使いこなすための小道具
 ・「So what?」で考える。(ピラミッドストラクチャ用)

観察事項をもとに、観察事項には含まれていないメッセージを作りだす思考法である。「株価が下がっている」という観察事項に対して「So what?」と考えると、「株を買うべきだ」「株を買わないべきだ」というようなメッセージを作り出せる。ただし、これには上記のような相反するメッセージがでてきたり、結果がひとつにはならなかったりする。よって矛盾する可能性も含めてどのように判断するかを考える思考法である。

 ・「Ture?」で考える。(ピラミッドストラクチャ用)

「So whata?」で作り出したさまざまなメッセージのうちのどれが適切か判断するのに使う。これには、観察情報以外の情報が必要だ。つまり知識を総動員することだ。ここで重要なのは、観察情報以外の情報・知見・事実を使ってもいいが、それを使ったという自覚である。

 ・「How?」で考える。(ロジックツリー用)

戦略・ビジョン⇒戦術を考える場合は使える。が戦略・ビジョン自体を考える場合は使えない。これは日本ではよく混同されるので注意が必要である。つまりピラミッドストラクチャなどでビジョンや戦略を設定して、それから利用するとはじめて価値をもつ。

・思考を混乱させる4つのトラブルメーカー

 ・問題を捕まえきれず、目移りして進んでしまう。
 ・誤った前提、隠れた前提に気付かない。
 ・事実の誤認、事実の過大・過小評価
 ・公平な判断ができない。

まず、思考に入る前に「何について考えるんだっけ?」という点を明確にする。そして思考中もこの点を確認しつづけて、はずさない。次に、多くの場合「株が下がりそうな時には買わない」というようなルールを使って結論を下してしまう。しかし、この無意識にルールを適用すると論理思考の方向を狂わせる。つまり、与えられていない情報は使ってもいいが、どのように使ったのかを明確にすることが大切だ。統計などの事実は明確な数値であるので疑わずに信じてしまいがちだが、統計も見方を変えれば異なる解釈が可能なことも多いので注意が必要だ。最後に、個人的な思い入れが強いテーマになると、人は公平に判断することが難しくなる。注意しても完全には排除できないので、自分がどのようなものに日頃シンパシーを感じ、ひいき目で見てしまいがちなのかを日頃から自覚しておくとよい。
・失敗例
テーマ「サッカー日本代表は優勝できるか?」
問題のズレの場合
⇒「テロの危険があるのでTV観戦することにした」
一般論を無批判に当てはめている場合
⇒「日本サッカーは歴史が浅いので優勝できない」
事実の過大評価
⇒「若手の成長が大きいので優勝できるだろう」
個人的な思い入れ
⇒「中田がいるから大丈夫」
かなりのベストセラーである。売れているだけあってなかなかいいと思う。これには実戦編もついているのであとでやってみようと思う。自分でまとめてみて日頃つかえるようになんかしらの形にしようと思う。HPにまとめていつでもチェックできるようにするのがいいのかなあと現在は考えているが、実戦編をやってから考えます。
(過去ブログからの転載シリーズ)

本エントリーは、過去に運営していたブログから転載したものであり、一部書き直しならびに追記をしてあります。

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