葉隠入門 – 三島 由紀夫 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分

「武士道とは、死ぬ事と見付けたり」で名高い「葉隠」は、自由と情熱を説いた書である。私にとってただ一冊の本、と心酔し、実践することに情熱を注いだ著者が、現代に生きる「葉隠」を説く。

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書評・レビュー・感想

・デリカシー

忠告は無料である。我々は人に百円の金を貸すのも惜しむかわりに、無料の忠告なら湯水のごとくそそいで惜しまない。しかも忠告が社会の潤滑油になることはめったになく、人の面目をつぶし、人の気力を阻喪させ、恨みをかうことに終わるのが十中八九である。常朝はこのことをよく知っていた。

・実践

私自身はあくる日の予定を前の晩にこまかくチェックして、それに必要な書類、伝言、あるいはかけるべき電話などを、前の晩に書き抜いて、あくる日にはいっさい心を煩わせぬように、スムーズにとり落としなく仕事が進むように気をつけている。これは私が「葉隠」から得た、はなはだ実際的な教訓の1つである。

・寛容

常朝は、決して人を責めるに厳ではなかった。そして手心ということを知っていた。厳しいモラルの規制のある所では、見のがし、聞きのがしが人間的なものであるが、そういうモラルの崩壊した所では、見のがし、聞きのがしは非人間的にさえなるのである。

「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」という一句が有名な葉隠。著者は鍋島藩の山本常朝。戦前教育にこの「葉隠」が使われたこともあり、あまりいいイメージがないが、内容は正当な人生論である。
本書はその葉隠をもとにして著者の三島由紀夫が市ヶ谷の自衛隊駐屯地で自決する3年前に書かれた。本書から得た教訓の1つ目が「水増せば船高し」である。
トラブルを恐れず、成長の機会であると喜べ!という「水増せば船高し」の実践を葉隠でも説いている。2つ目が「水清ければ魚棲まず」である。これは寛容さを説いている。
3つ目が「言動に気をつけること」である。一言が心の花であり、言葉を腹で練り、言うべきタイミングを計れということを説いている。入門書であるがなかなか奥深くお勧めである。
(過去ブログからの転載シリーズ)

本エントリーは、過去に運営していたブログから転載したものであり、一部書き直しならびに追記をしてあります。

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