カップルズ – 佐藤 正午 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 3 分

結婚5年目の冷めきった夫婦の「噂」、赤い手袋をはめて街に現れる娼婦の「噂」、不幸な事件で夫を亡くした美女の「噂」、奇妙な癖を持つデパート店員の「噂」…。小さな街に暮らす人々の平凡な人生に隠された過去と事件。男がいて、女がいて、そこからはじまる愛すべき人間ドラマ。地味な日常にあざやかな彩りを添える、自分ではない誰かのうわさ話7編。
・好色
・カップル
・アーガイルのセーターはお持ちですか?
・輝く夜
・あなたの手袋を拾いました
・食客
・グレープバイン

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告

書評・レビュー・感想

結婚5年目のさめきった夫婦の「噂」
赤い手袋をはめて街に現れる娼婦の「噂」
不幸な事件で夫をなくした美女の「噂」
奇妙なクセをもつデパートの店員の「噂」・・・・。
小さな街に暮らす人々の平凡な人生に隠された過去と事件。
男がいて、女がいて、そこからはじまる愛すべき人間ドラマ。
地味な日常にあざやかな彩りを添える、自分ではない誰かのうわさ話7編。
著者はミステリー?と思わせて謎を解かない。
著者は説教をしない。
著者は小説に乗じて世の中にひとこといいたがる人間ではない。
ひたすら照れて、はぐらかす。
登場人物の誰をも裁こうとはせず、物語の黒子でいようとする。
純粋なストーリーテラーだからだろう。
作家よりも小説家の肩書きが似合う人である。
本書は、作者本人を連想させる地方在住の小説家が主人公である。
だいたい「佐藤正午が神の視点で書いている」と思わせておいて大半が、中盤に、実は最初から一人称だったと判明するのだから人を喰っている。
そしていつものように市井の人々の人間模様が、肯定するでもなく否定するでもなく、淡々とつづられている。そしてそういう人々はどこにでもいそうな人間ばかりだ。
ゆえに「そうか、あの人は実はこうだったのか」とかつての自分が遭遇した人を読者が理解した気になり、いっそう物語を身近に感じるのである。
少し離れたところで見ている。
わかったようなことは書かない。
著者はお節介が嫌いなのだ。
著者は恋愛小説の名手とプロフィールにかかれることがあるが、彼がいっかんして描いているのは、ラブストーリーではなく、女心でもなく「女はわからん」と右往左往する男たちなのではないか?たぶんそう思う。
(過去ブログからの転載シリーズ)

本エントリーは、過去に運営していたブログから転載したものであり、一部書き直しならびに追記をしてあります。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
レクタングル(大)広告

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です