果心居士の幻術 – 司馬 遼太郎 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分

超人的な力の持主であるがゆえに、戦国時代の武将たちの運命を左右しながらも、やがては恐れられ殺されていった忍者たちの不可思議な生き様を描いた『果心居士の幻術』『飛び加藤』。そのほか、日本建国の神話に題材を取った『八〓(た)烏』から、幕末・新選組の裏面史を扱った『壬生狂言の夜』まで、歴史の中に埋もれた興味深い人物・事件の数々を掘りおこした作品集。
・果心居士の幻術
・飛び加藤
・壬生狂言の夜
・八咫烏
・朱盗
・牛黄加持

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書評・レビュー・感想

忍者というのは、身分やそのなりわいからして容易に後の世まで残るものではない。
そんな忍者の例外が本書で登場する「果心居士」と「飛び加藤」である。
両者ともその幻術がすさまじすぎていつ寝首をかかれるかわからないと感じた主人に殺されることになるが、そんな2人の短編はそれぞれ謎多い人物だけに面白い。
「八咫烏(やたがらす)」は、日本建国の神話を題材にとったものであるが、日向地方の海族(わだつみぞく)と大和地方の出雲族のあいのこである八咫烏を主人公にした物語であるが、日本が単一民族の国でないことを痛感する物語であり、また、日本の排他主義の痛感する物語でもある。
「牛黄加持」は、加持祈祷に関わる法師の物語であるが、加持祈祷に用いる本尊画像は毎回描く必要があり、それを描くための岩絵具に精液と卵白と膠を入れると聞くとおえっとしてしまうが、またそれが非常にリアルに具体的に描かれているので一読の価値あり。
6つ短編が収録されているがどれも興味を刺激されながら読める。これはひとえに著者の力量であろう。
テーマも時代もそれぞれ別の短編であるが、変な感じはなく1冊に収まっている。そんな印象を読後に持った。おすすめ!
(過去ブログからの転載シリーズ)

本エントリーは、過去に運営していたブログから転載したものであり、一部書き直しならびに追記をしてあります。

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