安楽死のできる国 – 三井 美奈 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分

大麻、売春、同性結婚と同じく、安楽死が認められる国オランダ。
わずか30年で実現された世界初の合法安楽死は、回復の見込みのない患者にとっていまや当然かつ正当な権利となった。しかし、末期患者の尊厳を守り、苦痛から解放するその選択肢は、一方で人々に間引き、姥捨て、自殺という古くて新しい生死の線引きについて問い掛ける。

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書評・レビュー・感想

オランダが安楽死を合法的に可能とする軌跡とそれにまつわるルポタージュである。オランダの安楽死法は、肉体的苦痛だけでなく、精神的苦痛までも条件に含めた点で非常に画期的である。しかし、ベルギーはオランダと同様の法律を作成したが、イギリス、フランス、ドイツなどは明確に反対の姿勢をとっている。特にナチス時代に「生きる価値のある人種だけ残す」という名目で障害者を抹殺した安楽死政策をとったドイツは、オランダをナチスになぞらえて批判している。
それに対して、オランダはオランダの安楽死政策は輸出できないと言っている。なぜなら、安楽死政策がうまく機能するには、4つの条件があるからだと。
 1.だれでも公平に高度な治療が受けられる医療、福祉制度
 2.腐敗がなく信頼性が高い医療
 3.個人主義の徹底
 4.教育の普及
このうち1つでもかけていると合法化は危険という。日本も同様であり、日本での安楽死問題は特に3の個人主義の徹底がないために難しいという。「死」の問題というのは、誰にでも必ず関係があり、かかわりがある問題である。
そして「死」を考えるからこそ「生」についても考えれるという人もいる。「死」を考える上で「安楽死」というのは切り口としてとてもいいと思う。非常に考えさせられる一冊だった。
(過去ブログからの転載シリーズ)

本エントリーは、過去に運営していたブログから転載したものであり、一部書き直しならびに追記をしてあります。

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