インストール – 綿矢 りさ (書評・レビュー・感想)

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綿矢 りさ
河出書房新社

突然、学校生活から脱落することを決めた高校生・朝子。ゴミ捨て場で知り合ったクールな小学生かずよしに誘われて、チャット風俗で一儲けすることに。押入れのコンピューターから覗いた「オトナの世界」とは?
2001年(当時17歳)に本書で第三十八回文藝賞を受賞。

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書評・レビュー・感想

「何が変わった?何も変わらない、私は未だ無個性のろくでなし。
 ただ、今私は人間に会いたいと感じている。
 昔からの私を知っていて、そしてすぐに行き過ぎてしまわない、
 生身の人間達に沢山会って、その人達を大切にしたいと思った。
 忘れていた真面目な本能が体の奥でくすぶっていた。」

芥川賞を最年少受賞した著者。
どんなもんかと読んでみると、いいね。
顔に似合わず腹黒い感じが非常にいいね。私はこういう感じは嫌いではない。
単行本1000円で90分ってところかな。すらすらいける。
主人公は進学校でよくありがちなタイプで天邪鬼で有能であるがゆえに見切りが早いそんな女子高生と早熟なネカマの男子小学生。著者のことは詳しく知らないが、基本的には似ているんじゃないかな。
私の好きな佐藤正午の女性版になるかもしれないと期待している。全体を通して環境の中での気づきとその気づいたことの言語化がうまい。女性特有の腹の探り合い場面における心理描写などなかなかGoodだと思う。
頭のいい女の子の中に主人公のような辛口型がいるが、それに小学生を合わせたのがうまいと感じた。同性より異性。同級生や年上より年下。それも小学生。判りやすさの中に面白さをうまく組み込んだなあと。
レビューにのせた部分は物語の最後のほうで主人公が語る部分であるが、「こういうのが世間ではいいんでしょう?」という感じで配置してあるのがまたいい。世間の舐め具合が心地良い。読んでいてそんな気分になった。すでに芥川賞受賞作「蹴りたい背中」は購入してあるので、楽しみである。
主人公はなんか感じが知り合いのだれかに似てるなあと思うが思い出せない。まあいいか。
(過去ブログからの転載シリーズ)

本エントリーは、過去に運営していたブログから転載したものであり、一部書き直しならびに追記をしてあります。

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