ゆとりの法則 – トム・デマルコ (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 3 分

「ゆとり」とは、変化を実現するために必要な自由度のことだ。ゆとりは効率とは相容れないものであり、効率はゆとりとは相容れない。組織の効率を高めることをすると、あとで変更や再生ができなくなることがある。徹底的に合理化した組織からは、変化する能力が失われる。
いわゆるリストラは、未来を犠牲にして、現状だけを最適化するものであることが多い。いつの時代にも、未来を犠牲にして現状をすこしよく見せようとする企業はある。そのような企業は、しばらくは、羽振りがいいが先行きは暗い。ゆとりとは、会社の業務に追われて余裕のない時間以外の時間である。ゆとりとは、まったく忙しくない時間のことだ。
組織が効果的に機能し、成長するには、あらゆる階層にゆとりが必要である。ゆとりは変化の潤滑油である。良い企業は、ゆとりを有意義に使う能力に優れている。悪い企業は、ゆとりを排除することばかりにこだわりがちである。
ゆとりを排除し、企業を効率化する任務を負った人は、自分の仕事を正当化するために財務上の利益をもちだす。1円を節約すれば、1円の利益になるというのだ。しかし、「1円を節約しても、1円の利益にはならない」少なくとも、節約した分がすべて利益になるわけではない。
企業が今年ヨットに費やす経費を削減すれば、それは直接利益に結びつくかもしれないが、研究開発費を削減した場合、話はまったく異なる。研究開発費は投資なのだから、それを削減しても、翌年の利益が今年に前倒しされるだけである。
今年の利益は増えるかもしれないが、翌年から何年間もつづくはずの利益は減少するかもしれない。将来の継続的な利益を現在価値になおすと、今年のコストを遥かに上回るのふつうである。それが研究開発費に投資する理由である。
どんな種類の投資であれ、1円削減しても1円の利益にはならない。ゆとりは一種の投資である。ゆとりを無駄と考えず、投資と考えることがビジネスを理解している組織と、単に忙しいだけの組織の違いである。
全体的な構成がストーリー立っていないため、若干の固さを感じた。内容はGOODだと思う。何度も何度もゆとりという着眼点から現状の問題を浮き彫りにしている。そして問題の中にある複数の原因の中で手を打つことが可能な原因(問題点)を指摘している。そして問題点についてリスクとリスク分析という章において優先順位をつけた課題として読者に明らかにしている。ゆとりという着眼から筋がきっちりと通ってロジカルであるためわかりやすい。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告

書評・レビュー・感想

お勧めである。
(過去ブログからの転載シリーズ)

本エントリーは、過去に運営していたブログから転載したものであり、一部書き直しならびに追記をしてあります。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
レクタングル(大)広告

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください