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彼女はぼくと同じ18歳だった。はじめての女性だった。好きかと尋ねられて頷いた。家族以外の女性についたはじめての嘘。嘘を重ねるために他の女性を拾い、途切れ途切れに続いた彼女との関係も、僕が街をでることで終止符が打たれた。
青春のやるせなさ、ほろ苦さを瑞々しい感性で描く秀作集。
書評・レビュー・感想
タイトルは「女について」。
その名のとおり、女性についての短編集となっている。
しかし佐藤正午ファンの1人としてたまらないところは、女性のことを語っていながら、実のところはその先にある作者の分身のような「ぼく」を含む男性について語っているところかもしれない。もともとのタイトルは「恋売ります」。内容もここから想像していただければ。なかなかの秀作だと。男性向けかな?
(過去ブログからの転載シリーズ)
本エントリーは、過去に運営していたブログから転載したものであり、一部書き直しならびに追記をしてあります。