「自分」取扱説明書 – 頼藤 和寛 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 4 分

わたしたちは、人生の荒波にもまれながら成長するに従い、物事の感じ方・考え方、問題解決の方法など、さまざまな「自分」運用のコツを身につける。けれども、その運用の仕方が悪くて思いどおりにいかず悩んだり、社会不適応に陥る人も少なくない。そんな人のために、本書は自分の取り扱い方をていねいに論じ、自分らしい生き方を支援する。

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書評・レビュー・感想

人間としての自分について客観的に考えて説明したものです。そして本書は以下のようなまえがきからはじまる。

「かつて弊社のジブンをお買い上げいただき、まことにありがとうございました。遅くなりましたが、『取扱説明書』ができましたのでお届けいたします。最新技術による精密機器ゆえ、この説明書をよくお読みの上、末長くご愛用たまわりますようお願い申し上げます。なお、製造の品質管理には万全の注意を払っておりますが、万一不良品と判明しましても、すでに長くご使用されておりますので、返品・交換の儀は堅くお断りいたします。」

・世の中の渡り方には大きく3種類ほどに分化できます。
 【第一タイプ】・・・真面目

訓練や教育を素直に吸収していく。条件付けられやすいので、本気にするし、真に受ける。できるだけ誠実かつ正直に生きていこうとする。
おそらく中枢神経系の学習定着効率が高いのであろう。
このタイプは真面目であるため、概して高学歴で、基本的には社会適応がよい。文化の枠組からはずれることはないが、伝統や常識に縛られたままである。
もし、受けたしつけや教育の内容が、現実離れした理想論であればあるほど、生涯を通じて、その被害を蒙りやすい性格といえる。

 【第二タイプ】・・・天真爛漫

しつけも教育もなかなかなじまない。呑み込みがわるい。後天的な条件付けが効率的でないため、生来の物欲や性欲も制御しにくい。家庭や学校といった小規模社会ではしつけそこねるから、どちらかというと低学歴・無資格のまま社会にでていきやすい。
野放しだから社会人になっても試行錯誤が多い。
知的でないなら固定した肉体労働者になり、才能があれば独創的な業績をあげるかもしれない。
一生、低階層にとどまるリスクや世間から評価を受けにくい不利はあるが、まれに特異な才能の持ち主なら既成の枠組や従来のパラダイムにとらわれることなく業績をあげる可能性がある。

 【第三タイプ】・・・要領がいい

家庭や学校で教えられたことを、そのうち「これは世間では、一応そういうことにしておく」といった表面的な申し合わせにすぎないと気付き、そこで面従腹背を決め込み、実情を理解したうえで、公式表明としてのタテマエを学んでいく。条件付けが二重構造になっており、「世間は、結局のところゼニで動く」と承知したうえで、口では、「人間、ゼニ金がすべてではありません」と言ってのけることが可能になる。
どんな業界にはいってもそこそこそつなく世渡りが可能なはずだ。そのぶん本質的な問題をつきつめて考えるようなことは少ない。利口な生き方とはいえるが、軽薄な才子に堕しやすいかもしれない。

じつは典型的なタイプというのはめったにいない。皆、少しずつ混在していて、その割合が違うだけだ。
  
・なぜ学校に行くのか?・・・理由は大きく3つある。
  1.文化の伝達
  2.選別の機能
  3.鋳型にはめる
1はその社会が蓄積してきた文化や技を次の世代に伝達するというオーソドックスな機能である。役に立たない教科でも教育を受けつづけることによって脳に負荷をかけ、知力・思考力の足腰を鍛えるという意味がある。
2は生産社会である世間の側が、人材採用に臨んで、学歴や資格を、個人の労働力評価の基準にしているので、教育機関とあわせて、選別機関としても機能している。
3は生活リズムを十数年に渡って定着させることによって「毎朝定時に起き、食事をして通勤し、仕事をしてその後帰宅する」という将来の勤労大衆の再生産として機能している。
かなりななめ読みをしたためはしょっているところもあるが、人生や人間個人について全体的に物事を捉える視点があるので面白いし、参考になる。
個人的には自分のタイプは、第三タイプの割合が高いような気がする。
軽薄な才子にならないように気をつけたい。まあ人生にはバランス感覚が最も大切だと思っているので、もう少し、真面目に。もう少し、天真爛漫に。努力します。
(過去ブログからの転載シリーズ)

本エントリーは、過去に運営していたブログから転載したものであり、一部書き直しならびに追記をしてあります。

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