経済危機のルーツ ―モノづくりはグーグルとウォール街に負けたのか – 野口 悠紀雄 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 3 分

経済学者・野口悠紀雄氏の日本経済論。1970年代以降の世界の構造変化を振り返ることで、今日の日本経済停滞の原因を明らかにしていく。
この40年の変化のうち特に大きいのは、冷戦の終結、1990年代に起きたIT革命と金融革命、中国の工業化だといえよう。それらを経て、世界経済は資本や人的資源がグローバルに移動する時代を迎えた。
その中で日本は、IT革命・金融革命という変化に抵抗し、モノづくりにこだわり続けてきた。日本は製造業が生み出したモノの輸出はしているが、カネとヒトのグローバルな移動という観点からすると、未だに鎖国状態にある。40年間に起きた世界の構造変化に対応できていないのだ。
「2007年からの金融・経済危機は企業と産業の、そして国家の、壮大な選別過程だった。
アメリカは危機を通り抜けて強くなったように見える。日本がこれから探求すべきは、脱工業化社会への道筋だ」と著者は強調している。

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書評・レビュー・感想

1970年代から2010年までの世界的な経済の流れを理解するのにいい良書。
なんとなく理解していることを順をおって著者が説明してくれるのでわかりやすい。学者なので過去の分析は得意だが、これからについては内容的に薄かった。
世界的な経済の流れを理解すればするほど、これからの日本には期待を持ちにくいという罠。日本の若者はこれからも苦しいというのはどうしようもないのかもしれない。
本書では、アイルランドが絶賛されていたが、現状のアイルランドをみると学者というのは過去の分析はいいが、予想ははずれるというイイ例かもしれない。
本書を読んで、Chikirinさんは以下のような感想を持ったみたい。やはり混乱Loverは楽天的ですな。
There is no alternative to market. – Chikirinの日記

私は未来は明るいと思っているし、この国は本当にサイコーだと思ってる。毎月30万円ずつ生活費を支給しますといわれても、中国にもインドにもシンガポールにもアメリカにもイギリスにも南の島にも住みたくない。
政治家なんかちょっとくらいアホでもなんの関係もない。経済において世界でトップになる必要なんてまったくない。大事なのは今日のご飯がおいしいこと。世界が日本のメシのおいしさに追いつくには、あと20年はかかるだろう。

上記は、ざっとした感想だが、以下には書評が載っている。参考までに。
戦後の世界経済が俯瞰できる本 – Chikirinの日記

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