なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか – 若宮 健 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 4 分

韓国にできて、日本にできない恥辱。日本は、まともな国といえるのか!?韓国では、往時にはパチンコ店が1万5000店、売上高は日本円にして約3兆円にのぼった。それが、2006年の秋に全廃され、いまは跡かたもない。だが、その事実を伝えた日本のメディアはなく、それを知る日本人は、いまもほとんどいない。日本でいち早くそれをレポートした著者は、その後も何度も韓国を訪れ、なぜ韓国にそれができたのかを取材した。そこから見えてきたものは、日韓であまりにも対照的な社会の実態だった。

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書評・レビュー・感想

韓国のパチンコは、日本のものとは少し違う。名前もパチンコではなく、「メダルチギ」と呼ばれるらしい。そして玉を打つ形式ではないとのこと。
日本の中古パチンコ台を輸入して、釘を根元から切断し、盤面、液晶はそのままというのが韓国仕様とのこと。メダルを入れて、スタートボタンを押すだけというかなりシンプルなもの、当たれば、商品券がでてくる仕組みらしい。
このメダルチギ自体、そんなに古いものではないらしく、2000年くらいに流行しはじめ、2006年に「パダイヤギ」事件という大統領の親族の関与が疑われた疑獄事件が起こり、これを契機に2006年8月に警察庁がパチンコ台の一斉撤去の命令を通達し、同年中にほぼすべてのパチンコ台を撤去している。2007年以降は、闇営業の摘発が散発的に続いているとのこと。
日本では2009年にパチンコ換金禁止の国会請願が出されているが、国会請願はすぐに立法化されることはほとんどなく、賛同者を根気よく増やしていくしかない案件である。日本でパチンコを禁止することが難しい原因の1つに警察官僚の天下り問題がある。業界はお金を広告などでメディアへばら撒いている問題もある。
官界との癒着、広告によるメディアの口封じは、東京電力と同じ仕組みである。本書は韓国のパチンコの仕組みや撤廃した理由、その流れなどを理解するのはちょうどいいが、日本でパチンコを禁止する方法の部分が弱かった。それだけ難しいということなのかもしれない。
最近では、国会議員ではないが、地方議員を中心にパチンコ禁止に向けて動きが出てきているようである。
やまと新聞 – 5.25「パチンコの違法化・大幅課税を求める議員と国民の会 設立大会」

荒川区議会議員の小坂英二氏ら地方議員が中心になって準備を進めてきた「パチンコの違法化・大幅課税を求める議員と国民の会」の設立総会が25日、池袋の豊島公会堂に多くの参加者を集めて盛大に開催され、今後、同会を核に地元地方議会でパチンコ大幅課税の陳情・請願の提出、地元国会議員への説得、「パチンコ違法化の意見書を国に出す」よう働きかけ、地方大会開催、支部設立などを積極的に進めていくことを決めた。

現状では、2011年5月25日に行われた上記の「パチンコの違法化・大幅課税を求める議員と国民の会」には、国会議員が一人も参加していない。国会議員が所属する各政党へ出席またはメッセージ送付の依頼をした結果が以下のように報道されているが、日本ではパチンコ禁止にはまだまだ道のりは長いと思わざるを得なかった。
やまと新聞 – 【パチンコ反対。これが現実】パチンコ違法化集会への各党の対応

☆たちあがれ日本=「党として見解がまとまっておらず、代表派遣・メッセージ送付はできない。個々の議員に声をかけて欲しい。」との返事。西村眞悟前衆院議員は壇上での挨拶やシンポジウムへ参加。
☆自由民主党=「党内で意見がまとまっていないので、党として代表派遣・メッセージ送付はできない。」
☆みんなの党=「代表派遣、メッセージ送付はしない。」とのこと。説明責任をいつも強調する政党なので、理由を聞いても答えられず(小坂議員)「担当者から説明の電話をする」との答えをいただいたが、返事は無し。
☆国民新党=「総体的に判断して、代表派遣・メッセージは出さないことにした。」とのこと。
☆創生日本=組織内で様々な意見が有り、組織としてまとまった返答ができない。パチンコについて所属議員の中にも愛好者はいる。
☆石原慎太郎 東京都知事=「本人の意向を確認したが、出席は日程が合わないし、メッセージは出さない」との返答。

国会議員は、パチンコ禁止をうたっても票にはならないと考えているのかもしれない。

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